佐賀県高校総体の中止を発表し、報道陣の取材に応じる県高体連の中島慎一会長(中央奥)ら=11日午後、佐賀市の佐賀東高校

 佐賀県高校体育連盟(県高体連)は11日、県高校総体の初めての中止を決めた。部活動に打ち込む県内の高校生が目標にしてきた集大成の舞台。3月下旬から何度も協議を重ね、開催に向けて「あらゆる可能性」をぎりぎりまで模索してきた。だが、「万が一の場合に責任が取れるのか」-。生徒や大会関係者の安全を考慮した結果、開催を断念せざるを得なかった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月の全国選抜大会が中止になった。その後も九州総体など大会の中止が相次ぎ、さらには最高峰の舞台・インターハイまでもが取りやめになった。「県総体だけでも」。関係者の思いは共通していた。

 選手の検温を義務づける。声を出しての応援や選手同士のハイタッチを禁止する。会場の換気を徹底し、競技日程も縮小して無観客にする-。県高体連は4月中旬、独自で感染防止対策の指針を練り上げた。考えられる限りの対策は用意したつもりだった。

 専門部も独自で対策を進めた。日本陸上競技連盟から6月末までの大会自粛要請を受けた陸上の専門部は、競技日程を7月に変更。当初は体育館で実施予定だった柔道も、生徒が畳の敷設作業で密集状態になることを懸念し、会場を柔道場に変更した。

 だが、局面は大きく変わった。4月下旬に県内でもクラスターが発生。5月5日には県教育委員会から「5月末までの県内対外試合の自粛方針」が示された。当初予定していた29日開幕の日程では開催が不可能になった。延期も検討したが、感染の終息が見えないことや、今後の学業への影響など不透明な部分が多すぎた。

 3年生は夏以降、進学や就職に向けた準備が本格化する。タイムリミットは迫っていた。中止を決断した臨時理事会から1時間半後。会見に臨んだ県高体連の中島慎一会長(多久高校長)は言葉を詰まらせた。「何とか開催してあげたかった」

佐賀県高校総体、初の大会中止(2020年5月11日)
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