新型コロナウイルスの感染拡大で暮らしや経済に深刻な影響が広がっていることを受け、佐賀県内の市町が独自の支援策を打ち出している。国や県の施策に上乗せする形を中心に、商品券発行や飲食のテイクアウトへの補助もある。地域事情も考慮し、多様な支援に知恵を絞っている。

 

 支援策で最も多いのが、収入が減少した中小企業や個人事業主に国が給付する「持続化給付金」と同様の施策。県内10市は全て、町も半数近くが実施する。先行する市町は給付条件を「収入減が前年より50%以上」など国の規定にそろえたが、その後は「20%以上」「国の給付から漏れた事業所」など支援範囲を広げる動きも多い。給付額は10万円などさまざまで、三養基郡上峰町は最大200万円とする。

 休業や営業時間短縮の要請に応じた店舗に給付する佐賀県の支援金に上乗せする制度も多い。金額は10万円や15万円が多く、上峰町は最大100万円。鹿島市は家賃負担がある場合にさらに上乗せする。

 主要産業など地域事情を考慮した施策もある。唐津市は宿泊業に最大50万円、飲食業に最大20万円を支給し、漁業者への燃料費補助、佐賀牛販売促進などを並べた。収入減などの規定を設けない支援もあり、杵島郡白石町は飲食店に一律20万円、武雄市は医療・福祉施設に10万円を給付する。

 行動自粛や営業時間短縮で急増している飲食店のテイクアウト支援も多い。武雄市は登録店から持ち帰りメニューを購入した市民は半額(上限500円)、上峰町は7割引になる。多久市は持ち帰り店に10万円を支給、鳥栖市や伊万里市は容器代などの経費、嬉野市は配送料を補助するなど、支える仕組みも多様だ。

 全住民に商品券などを発行する市町もある。東松浦郡玄海町は8万円分の商品券、神埼市は3千円、小城市と伊万里市も2千円分を配布する。藤津郡太良町は1千円分の食事券に加え、町内の旅館に2千円で泊まれるプランも用意している。

 このほか、国の特別定額給付金(10万円)を使ってもらう狙いで、消費税分の1万円を給付(杵島郡大町町)▽小中学生給食費の本年度無償化(杵島郡白石町)▽雇用調整助成金申請書の作成を依頼する経費支援(神埼市)▽生活困窮者支援(武雄市)など、住民の暮らしを含めて多方面から支援している。融資制度の拡充やマスク支給もある。

 支援策の財源は財政調整基金やふるさと納税の基金などが多い、財政が厳しい自治体は5月1日の国の臨時交付金内示を待って打ち出したところもある。

 自治体によって支援の内容やスピードが異なることには住民から不満も漏れる。7日に支援策を発表した伊万里市の深浦弘信市長は「市の財調基金は約10億円で同じ予算規模の自治体と比べて非常に少ない。近年多発している災害への備えも考えると手当たり次第に事業はできず、基金には手を付けられなかった」と事情を説明した。

 

表訂正 11日初回配信時、表で玄海町の予算額9億5980万円とされていたのは、新型コロナウイルスの緊急経済対策として国が全国民に一律10万円を配る「特別定額給付金」の支給事業費が含まれていました。町独自の支援策の予算は4億6816万円でした。(更新済み)

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