手作りのカーネーションの造花を手に、家族へ送る動画を撮影する利用者=佐賀市本庄の有料老人ホーム「SINみらい」

 10日は「母の日」。佐賀県内では新型コロナウイルスの感染防止を理由に花の手渡しを控え、宅配システムを活用する動きが出ている。福祉施設では入居者がインターネットを介して家族と顔を合わせるなど、コロナ禍にあっても日頃の感謝や思いを伝える工夫を重ねている。

 職員が構えるスマートフォンに、入居者の大橋タツ子さん(92)が手作りのカーネーションを持ってほほえんだ。佐賀市本庄町の有料老人ホーム「SINみらい」。画面越しにつながっている娘に「元気にしてるよ」と語り掛けた。

 母の日は例年、家族と過ごす入居者が多いが、今年は面会を断っている。入居者から、母親として頑張る娘やお嫁さんに「何かしたい」との声が上がり、施設活動でカーネーションを手作りした。「『家族のために作ろう』と声をかけると、一生懸命作っていた」と職員は目を細めた。

 佐賀市の保育士の女性(23)は、同居の母にプレゼントを買うため、県外から帰省中の姉と妹の3人で佐賀玉屋に出掛けた。県の休業要請が解け、久しぶりの買い物で「大人数のご飯をつくり、仕事も続けている働き者の母には頭が上がらない。家族で外食したかったけど、なるべく家で過ごそうと思う」。並んだ花や雑貨に目を戻した。

 西松浦郡有田町の近藤花店では例年なら配達や宅配システムを利用する人が6割だが、「今年は外出を控える人もいて、7割ほどに増えた」。全体の売り上げは厳しいが、母の日に限れば順調という。近藤伸充代表(45)は「コロナ禍の中、花で心を癒やしてほしいと思われているのでは。お母さんを大事に思う気持ちは皆さん変わらないですね」。花束やアレンジメントづくりに精を出している。

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