新型コロナの他の感染症対応への影響

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療現場の逼迫(ひっぱく)で、他の感染症を防ぐ予防接種の取り組みが各国で中止に追い込まれている。世界保健機関(WHO)などは、世界で1億1700万人超の子供がはしかの予防接種を受けられない可能性があると予測。接種中断で致死率が高いポリオ(小児まひ)や、結核の流行も再燃する懸念があり、医療保険システムに「壊滅的な影響」をもたらすと警戒を呼び掛けた。

 感染抑止へ人と人との接触制限が要請される中、各地の医療機関では予防接種を受ける子供が減少。必要な医療インフラや人員が新型コロナ対応に割かれ、他の感染症の予防や治療が後回しになっているのが実情だ。移動規制でワクチンを含む医療物資の流通も停滞しており、感染症流行の連鎖を引き起こす恐れがある。

 途上国のワクチン普及を目指す国際組織「Gaviワクチンアライアンス」によれば、既に1350万人超が、はしかやポリオなどの予防接種を受けられない状態で、今後数百万人単位で急増し得るという。

 WHOなどで構成する「世界ポリオ根絶計画」は3月下旬、2020年前半のワクチン接種事業の中断を関係国に提言。根絶間近とされたポリオが、再び拡大する危険性がある。18年に約970万人の患者を出したはしかを巡っては、24カ国で予防接種キャンペーンが延期された。近年多くの発症者を出している結核に関しても、医療現場の混乱などで重症化のリスクが増大する懸念が指摘されている。

 国連児童基金(ユニセフ)は、新型コロナ終息後の迅速な接種再開を勧告しているが「予防可能な病気で多くが命を落とす危険がある」としている。【共同】

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