閑散としている佐賀駅構内=5月4日午後

 例年なら大型連休のさなかでにぎわう4日、安倍晋三首相は緊急事態宣言を25日間延長すると表明した。全国の行楽地、繁華街は閑散とし、苦境に立つ経営者は「延長するなら十分な補償を」。巣ごもり生活の長期化に、子育て世代からは「もう限界」と悲鳴が上がる。新型コロナウイルス感染の終息が見通せない中、学校再開に向け期待の声も。期限の31日はどんな風景となっているのか。

 札幌市の繁華街、ススキノ。人通りもまばらで、閉店した飲食店も目につく。経営するイタリア料理店の営業時間を短縮している北村樹彦さん(40)は「(緊急事態宣言を)延長するなら、行政は十分な補償をし、強制力を伴う形で休業を求めないとこちらは踏ん切りがつかない。自分たちの声はどこまで伝わっているのか」といぶかった。
 岩手県は、全国で唯一感染者ゼロが続く。佐々木祐輔さん(55)が盛岡市中心部で営む中華料理店は、4月中旬から来客が大きく減り、例年の1割ほどに。「十分な補償を全国にする財源はないと思う。ギョーザのテークアウトなど、今できることを続けるしかない」とこぼした。
 東京・有楽町駅。新しくできるデパートの内装デザインに携わる都内の男性会社員(40)は「延長で、6月中旬の開業までに完成させるのは無理。確保していた作業員にも待ってもらわないと」。渋谷駅前には、待ち合わせをする人や買い物客らの姿があった。東京都練馬区の大学1年の女性(18)は、福島県から今春上京したばかり。「学校はいつまでも始まらないしバイトもできない。実家にも帰れないし、どうしたらいいのか分からない」と嘆いた。
 東京・お台場海浜公園。近くのコンビニで食料品を買っていた、近所の無職女性(84)は「商売をしている人には気の毒だが、全国で自粛を続けないと、終息まで時間がかかってしまう」。夫と娘(1)と散歩していた川崎市の会社員森遥さん(30)は「テレワークと子育てを両立しながら、あと1カ月近く自粛生活を続けるのは正直つらい」と話した。
 「子連れの行き場がない。今は自宅で頑張るしかない」とため息をつくのは、大阪府豊中市で3歳と1歳の息子を育てる吉田萌さん(36)。長男が4月から幼稚園に入る予定だったが、入園のめどが立たないといい「同じ年代の友達と遊ばせたいが、児童館なども閉まっている」と話す。

 緊急事態措置に関する方針を5日に示す佐賀県。4月半ばから自主休業する佐賀市の飲食店経営者の30代男性は「要請が仮に緩和されたとしても、新型コロナが消えるわけではない。客の動きは鈍く、厳しい状況が続くのではないか」と、冷静に県の発表を待つ。

 3人の子を持つ神埼市の父親(53)は「子どもは学校の再開を楽しみに課題をこなし、部活の自主練習を続けている。休校がさらに延びたら何と声をかけていいか分からない」と早期再開を望んだ。

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