佐賀北高野球部副部長の百﨑敏克さん=佐賀市天祐の佐賀北高

 新型コロナウイルスは、これまでスポーツに打ち込んできた佐賀県内の子どもたちに大きな影響を与えている。子どもたちに、「今伝えたいこと」を、県関係の指導者やアスリートに聞いた。

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 高校野球の指導に携わり40年。2007年には監督として佐賀北高を全国制覇に導いた。現在も同校野球部の副部長として指導に当たる百﨑敏克さん(64)は「プラス思考が大切。今ある環境でできることを精いっぱい頑張って」とエールを送る。

 県内の学校は4月中旬から休校となり、それに伴い、部活動も休止されている。子どもたちは今、スポーツを楽しむこと自体が難しい状況に置かれている。そんな時だからこそ、百﨑さんは「考え方がすごく大事。語弊があるかもしれないが、逆境を楽しむことができれば人間は強いと思う」と強調する。

 「いいプレーができた時に喜ぶのはどのチームにもできる。エラーが出たり攻め込まれたり、駄目な時こそ、笑顔で拍手して盛り上げないといけない」。普段から野球部の生徒に伝えていることだ。野球の苦しい場面と今のつらい状況を重ね合わせ、少しでも前を向き、楽しみを見つける方法を探してほしいという。

 外出できなくても、自宅でイメージトレーニングをしていれば、「グラウンドに戻った時に一球を大切にできるようになる」。プロの映像を見たり、専門誌を読んだりすることもできる。他のスポーツや文化など、野球と全く関係ない分野の魅力にも触れられる。「この時期を使って他のことに目を向けたら、きっといい作用になる」と百﨑さん。そのことが、野球に対する新鮮な気持ちを生むことにもつながると話す。

 インターハイや全中が中止になり、高校野球も夏の甲子園の開催が不透明になっている。「野球をするのが難しい状況なのは分かる」と百﨑さん。そう語りつつ、こうもつぶやく。「一日でも一時間でも長く、野球をさせてあげたいね」

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