政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は4日、感染を調べるPCR検査件数が日本では少ないことについて、過去に世界で広まった重症急性呼吸器症候群(SARS)などの感染者が国内では出ず、新しい感染症の流行に対応する検査体制が整わなかったとの分析を公表した。

 新型ウイルスへの対応に適したPCR検査は、今回の流行でも主要な検査法。専門家会議は、特に韓国とシンガポールは2003年ごろのSARSなどの経験を踏まえ、前々から検査拡充を進めていたと指摘した。

 大量のPCR検査を行う想定をしていなかった日本では、新型コロナでも重症化の恐れがある人や、感染者との濃厚接触者を優先するしかなく、感染者が急増した3月下旬以降も「十分に対応できなかった」とした。

 検査に関わる保健所や地方衛生研究所に業務が集中しすぎたことや、検体を採取する人や検査を行う人が用いるマスクや防護服の圧倒的な不足、民間の検査会社に検体を運ぶ業者の確保が難しかったことを挙げた。

 また、政府に対して、PCR検査を補う迅速診断キットの開発など、質の高い検査体制の構築を求めた。

 ただ専門家会議は、感染症による人口当たりの死者数などは欧米よりも大幅に低い水準にあり、感染拡大初期の「死者数を抑える」という目標はある程度達成できたとしている。【共同】

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