店の冷蔵庫を整理する女性。休業を余儀なくされているため、調味料などを自宅に持ち帰った=唐津市内

 「給付金や支援金、それだけじゃ足りない。何かしないと生活できない」。唐津市でスナックを経営する女性(45)は4月下旬、市内のタマネギ農家で1週間、収穫のアルバイトで汗を流した。「家にいても時間があるし、お金は借りたくない」。連休明けにはイチゴ農家でも働くつもりだ。

 スナックは、4月22日に始まった県の休業要請の対象になった。女性の店は、市内で新型コロナウイルスの感染者が確認された4月中旬以降、休業している。要請期限は5月6日までで、連休明けには再開したい意向だが「どうせ誰も来ないけど」とあきらめ顔だ。

 市内の材木町でスナックを経営する渡辺匡江さん(62)は、緊急事態宣言が全国に拡大された16日から店を休む。「15年ほど店をやっているけれど、こんなに休んだのは初めて」

 隣の東松浦郡玄海町で感染者が確認された4月初めから、団体の予約は白紙になった。「『今日もお客さんが来なかった』と帰る毎日だった」。それでも家賃やカラオケ代、光熱費は必要で「やめようと思ったこともあった」とつぶやく。

 「5月から7月までの家賃を半額にする」。渡辺さんの店など、9店舗が入居するビルのオーナーの前田春実さん(58)は支援を決めた。ママたちが固定費の支払いに悩む中、「何もしなければ店を畳む人が出てくる。負担を少しでも減らし、どうにか持ちこたえてほしい」と話す。

 渡辺さんは「家賃の相談をしようと思っていた時だったから、本当にありがたかった」。客足が戻る日を見据え、前向きな思いが湧いている。

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