DV被害者への10万円給付を巡る対応方針のポイント

 新型コロナウイルスの影響でゴールデンウイークを自宅で過ごす際の悩みに関し、佐賀新聞社が実施したウェブアンケートに、配偶者や恋人からの暴力(DV)や暴言、児童虐待を訴える声が寄せられた。長引く外出自粛で家庭内に外部の目が届きにくくなっており、被害が深刻化する懸念がある。政府が全国民に一律10万円を配る「特別定額給付金」を受け取りたくても、そうできないと思い悩むケースもある。

 「話し掛けると、ささいなことで大声を上げて激高する。給付金のことを話し合える状況じゃない」。県内の40代女性は、夫からの暴言に悩み続けている。

 給付金については世帯主が一括で申請し、その口座への振り込みが原則になっている。配偶者と離れて暮らすDV被害者に対しては、加害者の世帯主が被害者の分まで受け取らないよう、本人が自治体に申し出れば給付金を受け取ることができる。政府は申し出の際に必要になる、DV被害で避難していることを示す書類を、自治体などに加えて民間の支援団体が発行することも認めている。

 ただ、DV認定を受けていない中で同居している場合は難しい。女性は関係機関から認定を受けておらず「きっと夫は、給付金を全て受け取って使ってしまう。私や家族には届かない」と声を落とす。

 「学校や学童、習い事の全てが休みになり、家の中で一緒にいる時間が長く、常に支配下にある」。この意見を寄せた別の女性は、子どもが祖父におびえる日常を明かす。家の中で物音を立てるだけでも怒鳴り声が響き、物に当たることも増えている。感染リスクを避けて外出を控えているが、「家にいても危険」と訴える。

 県中央児童相談所や婦人相談所によると、外出自粛の影響で、自宅で家族と過ごす時間が長くなり、DVや児童虐待がエスカレートする可能性がある。担当者は「生活不安やストレスから暴力に向かう恐れがある。学校が休校になり、先生たちが子どもの体のあざや悩みなどの異変に気付く機会が減っている」と危機感を強めている。

 政府はDV被害の相談などを、休日を含めて24時間受け付ける窓口(電話0120・279889)を開設している。電子メールや会員制交流サイト(SNS)でも相談できる。

 県内ではゴールデンウイーク期間中、女性の抱える悩みに関してはアバンセ女性総合相談、児童虐待に関しては県中央・北部児童相談所で受け付けている。全国共通の児童相談所虐待対応ダイヤル「189」では24時間体制で対応している。

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