退任式で松尾佳昭町長(左)から感謝状を贈られた上野菜穂子さん=有田町の春陽堂

 移住・定住や空き屋対策を担ってきた有田町地域おこし協力隊員の上野菜穂子さん(42)が3年の任期を終え、4月30日、退任した。空き屋を活用し、飲食や物販をする「うちやま百貨店」や上映会を開き、有田銘菓「茶わん最中」の復活も手掛けた。1日からはNPO事務局長として町に残り、まちづくりに携わっていく。

 北海道出身の上野さんは、イラン国営放送で翻訳や取材を15年間担った後、地域おこし協力隊として有田町へ。内山地区にあるまちのオフィス春陽堂を拠点に、人口減少や高齢化の進む地域の振興に取り組んだ。

 空き店舗でさまざまな業種が出店する「うちやま百貨店」を半年ごとに開催。「開業を目指す人に、店舗や商いのイメージをつかんでもらいたかった」。開業につながったり、参加店も増えてミニ版を月2回開く人気イベントになった。

 町に映画館をと、昨年8月からは毎月2日間、空き店舗でドキュメンタリー映画の上映会も企画した。

 銘菓「茶わん最中」も、新たな形で復活させた。「空き屋活用への思いを最中に重ねた。空き屋のイメージである皮を提供して、あんに当たる中身は最中を贈る人と一緒に考えたかった」と、意図を説明する。一般の土産用に加え、今後、町内の企業向けに、あんや包装が選べるオリジナル仕様を提案する予定だ。

 「立ち上げた事業や企画は、まだ道半ば」として、5月から共に活動してきた仲間がいるNPO灯(とも)す屋で活動を続ける。新型コロナウイルス終息後には、オフィス内でちゃわん最中を味わえるカフェも始める。

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