COVID―19(新型コロナウイルスによる肺炎)感染症にかかる患者さんが佐賀でも増えてきています。引きこもり生活が長くなり、いつもの生活リズムを維持できずに体調を崩しやすいからかどうかは分かりませんが、ここのところ、ぼうこう炎の患者さんが増えている印象です。治療としては抗生物質を使うほかに、休養、睡眠、栄養をしっかり取り、体の調子を整えることも大切です。これはすべての感染症に共通して言えることではないかと思っています。

 ぼうこう炎は、排尿終末時の搾るような痛みやいつまでたっても尿がスッキリ出た感じがしない残尿感、頻尿や下腹部の不快感などが生じる炎症で、ぼうこうに入った細菌が炎症を起こします。繰り返す方も多く、何度もかかる患者さんの中には、炎症の原因になっている細菌を洗い流すために洗浄便座を使うという方がおられました。しかし、ぼうこうの中にいる細菌は外からの洗浄で洗い流すことはできませんし、炎症を起こしている粘膜は傷つきやすくなっているので、洗浄の刺激で逆に治りにくくなってしまう可能性も否定できません。

 また、普段から排尿後に洗浄便座で洗浄をしていると、ぼうこう炎に4倍かかりやすくなるという研究もあります。ノズルの清潔さを考慮しても洗浄水はお風呂のお水と同等程度の細菌量と言われていますので、やはり洗浄刺激が炎症を起こしやすくしている可能性が示唆されています。他にも、ぼうこう炎予防のために入浴時に陰部をごしごし洗うという方もおられますが、これも逆効果でしょう。「陰部の手入れはお顔の手入れと同じくらいの刺激で」と考えておくとよいと思います。

 未曾有の感染症で、衛生面への関心が高まっています。引きこもり生活でできた時間を使って、さまざまな場面での衛生について見直していくのはいかがでしょうか。(武雄市 なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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