川﨑俊広さん

田中英康(たなか・えいこう)さん

春の叙勲で瑞宝単光章を受章した原田由美子さん。神埼市神埼町。

 2020年春の叙勲綬章者が29日付で発表された。佐賀県関係では、教育や医療などの分野で功績のある42人が受章した。旭日章14人と瑞宝章28人のうち、3人の声を紹介する。

【瑞宝小綬章 川﨑俊広さん(70)=佐賀市】

 7年近くにわたり県教育長を務めるなど、教育行政に尽力した。「仕事はチームプレー。チームを代表しての受賞」とかみしめる。

 1973年から県職員を勤め上げ、教育や財政、総務畑を歩いてきた。教育行政に携わる中で特に印象に残るのは、新しい私立中高の設置や地域拠点公立校の中高一貫教育化、高校生に学習用パソコンを持たせるICT教育の推進だ。

 少子化で生徒数が減少する中、専門性の高い能力を持つ人材育成を目標に掲げ、特色ある教育環境づくりを目指した。

 「学校の勉強は無駄」とよく言われた。「無駄と思えたことが収穫。経験して他人と比較して、自分の得意が分かる」と笑顔を見せる。佐賀市川副町。

 

【瑞宝双光章 田中英康さん(72)=小城市】

 小城市三日月町の光旭(こうぎょく)寺住職。1995年に佐賀少年刑務所(佐賀市)の受刑者の更生に携わるボランティア「教誨師(きょうかいし)」になった。現在は麓刑務所(鳥栖市)の女子受刑者への道徳教育も担う。

 月1回、1時間の道徳教育では、5~10人程度のグループに分かれて一緒にお経を唱え、写経も教える。死亡事故を起こした受刑者の中には、亡くなった人の命日に手を合わせる人がいた。最愛の子どもと離れ、悲しむ母親もいた。「悔い改め、一度きりの人生を大切に生きて」。説教のたびにこう諭してきた。

 県内の宗教家21人でつくる県教誨師会会長。「受刑者と共に悩み、努力している若い人たちにとっても励みになる」と受章を喜ぶ。小城市三日月町。

 

【瑞宝単光章 原田由美子さん(58)=神埼市】

 佐賀大医学部附属病院の看護師長として、高度救命救急センターの立ち上げに尽力した。「患者さんにとっては一生に残る存在になるかもしれないと、常に意識していた」と出会いを大切にしてきた看護師生活36年を振り返った。

 センター立ち上げでは、ドクターヘリの導入やフライトナースの育成など寝る間も惜しんで取り組んだ。子育てと仕事を両立しやすい環境づくりにも努めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、対応に奔走している同僚や後輩たちがいる。「患者を最優先に働く人ばかりで心配しているが、その活躍に感謝している。自分の身も大切にし、誇りを持って頑張ってほしい」。医療の最前線にエールを送る。神埼市神埼町。

このエントリーをはてなブックマークに追加