釈菜での雅楽演奏の様子(多久市役所提供)

 多久聖廟では、毎年春と秋に「釈菜(せきさい)」が行われています。これは孔子像と、孔子の教えを広めた四配(しはい)(顔子・曽子・子思子・孟子)の像にお供えをする儀式で、佐賀県重要無形民俗文化財に指定されています。釈菜では雅楽が演奏され、荘厳な雰囲気を一層引き立てています。

 『論語』の一節に、「詩に興り、礼に立ち、楽に成る」(『論語』泰伯第八)という言葉があります。これは、「学問は詩を作ることから始まり、礼儀を学び、音楽を学ぶことで完成する」という意味で、孔子が音楽を重要視していたことが分かります。

 記録に残る多久での最初の雅楽の演奏は、1701年のことでした。聖廟へ納められる孔子像が多久に届いたことを記念し、佐賀から演奏者を呼んで演奏されました。1708年に多久聖廟が完成し、多久で初めて釈菜が行われてから300年余り、雅楽の伝統も受け継がれています。

 現在、釈菜で雅楽演奏を担当しているのは、多久市役所雅楽部の皆さんです。最初は全員が初心者で、それぞれの楽器演奏者の先輩から、漢字やカタカナなどで書かれた楽譜の読み方、演奏の仕方や装束の着付けなどを教わります。

 志佐喜栄(多久市郷土資料館)

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