小型無人機で撮影した現在の川上峡周辺。建物や道路の変化は少ないものの、こいのぼりの吹き流しが春の風物詩として定着するなど観光名所として人気を誇る=佐賀市大和町(高度約150メートル)

 南北に流れる嘉瀬川に緩やかなアーチを描く朱色の橋が映える。佐賀市大和町川上峡。渓谷から平野部に入る位置に架かる官人橋は“九州の嵐山”と称される景勝地のシンボルとして人々に親しまれている。
 大和町史によると、橋は江戸時代前期の水利工事で川中に造られた島を中継して架けられた板橋が前身のようだ。当時は「勧進橋」と呼ばれていた。時代とともに板橋から土橋、コンクリート橋へと姿を変えたが、1949年の水害で流失。4年後に元の場所から約80メートル上流に現在の鉄製トラス橋が完成した。
 鮮やかな朱色で存在感を放つ橋のたもとには、564年創建と伝わる與止日女(よどひめ)神社が鎮座する。社殿と境内の樹木が調和した景観が魅力で、春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉と季節の移ろいを感じさせてくれる。
 1984年からは春の行楽シーズンに合わせ、こいのぼりの吹き流しが始まった。真下を遊覧する人気の観光屋形船は、新型コロナウイルスの影響で今年は中止となったものの、色とりどりの約300匹が吹き抜ける風に群舞し、散策する人やドライバーの目を楽しませている。

1982年に空撮された川上峡周辺。当時の官人橋(中央)は欄干部分のみ朱色で、2年後に化粧直しされた(高度約1000メートル)
 
官人橋を背に風に揺れるこいのぼり。川上峡春まつりの一環で期間は5月24日まで=佐賀市大和町川上峡

1984(昭和59)年 
 官人橋全体を朱色に化粧直し
 こいのぼりの吹き流し始まる
1995(平成7)年
 官人橋の塗装工事を実施
2009(平成21)年
 官人橋の塗装工事を実施
2014(平成26)年
 與止日女神社1450年式年大祭

ーーーーーーーーーー

 移ろいゆく時とともに、街も表情を変えていく-。小型無人機「ドローン」を使い、令和になった新しい時代の佐賀の街並みと、ひと昔前の風景とを並べ、街の息吹を伝えます。

 
紙面ビューアはこちら
複数写真はこちら

電子版会員向けサービスです。初めての方はご登録ください。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加