ネットショップ開設へ自社サイトの作成方法を教わる参加者=西松浦郡有田町の大有田焼会館

 新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった有田陶器市に代わって開くインターネット販売「Web有田陶器市」の準備が熱を帯びている。西松浦郡有田町が一定の送料を負担し、商工団体が各店のネット販売用サイトの作成を手伝うなど全面的にバックアップ。先行してネット陶器市を始めた店舗の販売も好調で、急激に落ち込む売り上げのカバーに期待がかかる。

 Web有田陶器市は、町内124事業所が参加し、通常の陶器市と同じ29日~5月5日に開催。ただ中小の事業所が多く、ネット販売用の自社サイトを持たない店舗が約3分の1を占める。このため、17日から講師を招いたワークショップを開き、有田商工会議所などの職員がネットに不慣れな店主らの作成作業をマンツーマンで後押しした。

 「今の時代には必要と分かっていても、やり方が分からず踏み切れなくて。いい機会になった」。有泉堂本店の口石尋夫社長(73)はこう感謝する。

 「4月の売り上げは8、9割減」と苦境を語る田中陶器店の田中和彦店主(63)は、ネット販売の再挑戦組だ。「前は使いこなせなくてやめた。今回は分からないことがあってもすぐ聞ける。ありがたい」

 幸楽窯の徳永隆信社長(52)は「先が見えず、有田焼の産地存続の瀬戸際になるかも」と危機感を募らせる一方、「いつもはライバルの同業者がこんなに一つになったことはないんじゃないか」。一丸で乗り切ろうという、団結心が生まれ始めている。先行して独自にネット陶器市を始めた会社は初日だけで約100万円を売り上げた。通常は月に約40万円といい、社長は「社員に元気が出てきた。有田のウェブ元年になるかも」と期待する。

 24日からアリタセラ(有田焼卸団地)も春のオンライン陶器市をスタート。ある店舗は「福袋がすぐに売り切れて準備が追いつかない」と予想以上の反響に驚いている。

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