クラブ「イリュージョン」で発生したクラスター(集団感染)について説明する山口祥義知事=23日午後10時5分ごろ、佐賀県庁

 佐賀県は23日、武雄市のナイトクラブ「イリュージョン」の従業員や客など7人が新たに新型コロナウイルスへの感染が確認されたと発表した。前日にも同店の女性従業員と男性客の感染が確認されていて、店に関係する感染者は合計9人となり、県内で初めてクラスター(集団感染)が発生した。感染者の中に国立病院機構嬉野医療センター(嬉野市)の外来事務職員が含まれていたため、23日に外来事務を休止した。

 厚生労働省は「同じ場所で5人以上つながりのある感染者が出たケース」をクラスターと定義している。山口祥義知事は同日、厚労省にクラスター対策班の派遣を要請した。

 イリュージョンでは、11日に来店した建設業の50代男性(多久市)と、30代の女性従業員(小城市)の感染が22日に確認された。県は店名を公表した上で、従業員22人と陽性の女性が接客した5人に対して23日、ウイルス検査を実施。イリュージョン従業員の男女5人、男性客2人の計7人の陽性が確認された。

 うち1人が嬉野医療センターの外来事務職員だったことから、院内の消毒作業をするとともに、追加でウイルス検査をする病院職員の範囲について精査を進めている。同病院は感染症指定医療機関で、新型コロナウイルスの患者も受け入れていた。

 山口知事は同日夜、緊急記者会見を開き、「嬉野医療センターは現在、患者を受け入れる環境にないという認識だ。県のコロナ対策にとって柱となる病院なので重大な関心を持っている」と述べた。現在、県は感染者70人を収容可能な病床を確保しており、医療体制に影響はないという。

 山口知事は「極めて厳しい状況になった」との認識を示した。「感染者7人の症状は軽いが、陽性だった。『市中感染』のリスクと向き合わなければならなくなってきた。県民には強い気持ちを持ってほしい」と訴えた。感染者1人ずつの行動歴を追い、感染拡大を防いできた従来の県のやり方では対応が困難になったとの見方も示した。

 県は同日、イリュージョンの関係者とは別に、佐賀市内のフィリピンパブ関係者と、唐津市に住む70代女性の感染を確認した。パブ関係者について、山口知事は「感染拡大に強い懸念を持っている」と述べ、スタッフら関係者10人以上を対象にウイルス検査を実施するとした。県内で感染が確認されたのは合計28人になった。

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