移転時、彫塑作家たちが旧店舗にあった黒いテーブルの塗装をはがして木目調に。奥の絵は古賀悦子さんの作品

若手作家の展覧会を毎月開いている店長の岡野朋子さん。店内にはゆかりの作家たちの作品が並ぶ

開店40年に合わせ、画家の櫻木淳子さんが描いたトネリコ・カフェの絵

 佐賀市白山の喫茶兼ギャラリー「トネリコ・カフェ」が開店50年を迎えた。若手作家や大学生の飛躍を願って展覧会を毎月開き、二紀展で活躍する塩月悠さん=佐賀大出身、長崎市=ら人気作家も輩出。コーヒーを味わいながら“芸術談義”に花を咲かせるスポットとして親しまれている。

 同店は1970年3月、同市中央本町に「珈琲舎梣(こーひーしゃとねりこ)」としてオープン。2006年、ビルの取り壊しで中央本町から現在の場所に移った。開店時の店長廣瀬交一さん(68)=佐賀市=は「昼時はビジネスマン、午後は文化人、夜はカップルの憩いの場。多い時で日に400人が来店した」と懐かしむ。

 店長の岡野朋子さん(61)は19歳から店に立ち、33歳から店長を務める。妹の仲介で画家・童話作家の古賀悦子さん=同=の作品を展示したことがきっかけで、現在は毎月地元若手作家や学生の展覧会を開く。

 8人のアルバイトは全員佐賀大学芸術地域デザイン学部の学生。画家や音楽家が来店し、自由に意見を言い合える空気が漂う。作家から作家を紹介され、岡野さんとアルバイト生が作品を吟味してギャラリー使用料は無料で展示する。岡野さんは「有名ギャラリーで若者が個展を開くのは、費用の面でも難しい。ここで作品が売れれば励みにもなる」と話す。

 5月は陶彩画家の矢山昭子さん=同=、6月は塩月さんなど、ゆかりの作家が続々と個展を予定している。岡野さんは「作家として羽ばたいてくれるのはもちろんうれしいけど、何よりみんなに幸せになってほしい。この場所で、人と人がつながっていくのを見るのが私の喜び」と笑顔を見せる。

 ▶25日、5月23日、6月13日と27日は、開店当時の150円でコーヒーを提供する。問い合わせはトネリコ・カフェ、電話090(1978)0993。

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