感染予防対策として個別に包装された状態で並ぶパン=佐賀市のポンパドウル佐賀店

 午前11時半、佐賀市の佐賀玉屋にあるパン店「ポンパドウル」。フランスパンやサンドイッチなど数種類のパンを選ぶ人、10種類ほどを大きな袋に入れ持ち帰る人-。棚に並ぶパンはこれまでと違い、一つ一つビニール袋で包まれている。

 店では100種類、少ない日でも4千個を焼き上げる。個別の包装は新型コロナウイルスの感染防止のため。来店客にはトングで選び取ってもらうように依頼している。

 パン作りの朝は早い。通常でも午前4時出勤が最も早いシフトだが、「個包装のひと手間」が加わった。出勤は30分前倒しになり、作業負担もコストも増えた。それでも「少しでも不安を取り除くことにつながればという気持ちを込めています」と製造課チーフの府川勤さん(40)。

 外出をできるだけ控えようとする気持ちからか、まとめ買いが増えた。子連れ客はぱったり消えた。

 個別に包装するためには粗熱を取る必要があり、最もおいしい焼きたての提供が難しくなった。「もどかしいのですが…」と府川さん。「焼きたてを気兼ねなく、安心して頰張れる。そんな日がまた来る」。そう信じてパンを焼く。

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