母国にとどまったままインターネットで日本語の授業を受ける生徒たち=鳥栖市の弘堂国際学園

 20人の顔が並んだパソコン画面に、講師の藤鉱平さん(40)が呼び掛けた。「出席を取りますよ。セサルさん、ラビンさん…」。授業開始は午前10時半。学生たちの現地時間はそれぞれ異なり、コロンビアは午後8時半、ベトナムは午前8時半。藤さんが映し出したイラストを見て「チョコレート」「コーヒー」と片仮名を書いていく。学生たちの音声に交じって、ニワトリの鳴き声や小鳥のさえずりが聞こえてくる。

 鳥栖市の日本語学校「弘堂国際学園」の新入生は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う日本政府のビザ効力停止や母国の出国停止措置で、予定した35人が1人も来日できていない。新入生は母国で基礎的な日本語を学んでおり、「せっかく覚えた言葉を忘れないように」と、入学式があるはずだった14日から、ウェブ会議の仕組みを使ってオンライン授業をしている。

 上旬に緊急事態宣言の対象地域になった福岡県内に住む学生も多く、在校生96人と日本語学校の卒業生らが学ぶCODO外語観光専門学校(291人)は今月から休校している。

 休校中の学生は週1回、時差登校している。検温で発熱がないか確認した上で、課題の受け渡しに臨んでいる。留学生は授業の出席率が重視されており、レポートが合格すれば出席扱いになる。理事長の山本由子さん(73)は「休校はしているものの学生は真剣。添削する教師も対面で授業するより大変でしょう」。

 緊急事態宣言は全国に広がり、新入生の来日のめどは立っていない。対面授業の再開が遠のいた在学生はアルバイトの時間も減った。生活が続けられるように、山本さんは促している。「たばことか、できることから節約をして」

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