修復された陶山神社の磁器製鳥居=有田町大樽

 陶山神社の境内にたたずむ国の登録有形文化財の磁器製鳥居が、約130年の歳月を経て、このほど再び往時の輝きを取り戻した。

 明治11(1888)年、神事当番町の稗古場町によって奉納されたものだが、長年、屋外で寒暖差や風雨にさらされ、磁器本来のあでやかさを失い、経年劣化でひび割れや破損が目立って、突然、破片が落下しかねない危険な状態となっていた。見かねた地元有志の方々の尽力により、町の内外から広く寄付が募られ、昨年11月より修復作業を開始、3月には足場を組んでの最終的な現地作業が行われた。

 今回の修復の目標は二つ。陶山神社保管の落下破片を元通りに復元し、今後落下の危険性がある部分も確実に接着して安全対策を図ること。また、設置からこれまでの修理状況についても可能な限り調査して記録を残し、今後の管理の参考となるようにすること。加えて、表面にこびりついた汚れについては、できるだけ落とす方向で作業を進めることとなった。

 修復作業中、意外な事実も判明した。鳥居の両脇を支える2本の柱。割れ口の随所に白から灰色のドロドロの噴出物があり、磁器質の柱の中はモルタルかコンクリートでも詰めて強度を図っているものと考えていた。ところが、何と中身は赤土を突き固めたもの。そのため、この赤土が雨水や凍結などにより収縮と膨張を繰り返し、表面に多くのひびを生じたのだろうということが判明したのである。(有田町教育委員会学芸員・村上伸之)

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