伊万里市民図書館長に就任した鴻上哲也さん

 3月まで伊万里市大坪小の校長を務めていた。教員としての経歴は少々変わっていて、通算で20年近くは学校を離れて社会教育に携わった。学校と地域。双方の現場での経験を、市民の学びの拠点である図書館の運営に生かしていく。

 社会教育に興味を持ったのは大学生の頃。「一つの石があれば、そのことについて10通りの講座を組むことができる」という英国の成人教育者の話に引かれ、研究対象にした。

 教員になった後も意欲は尽きず、学校と行政を行き来しながら、生活や心を豊かにする「学び」の在り方を考えてきた。鎮西町(現唐津市)に出向した時は住民と地域おこしに取り組み、アバンセでは県民カレッジの開講に関わった。

 校長で赴任した黒川小と大坪小では、図書室をリニューアルした。明るく開放的な空間に変わると、子どもたちの読書量が増えた。「本を読まなくなったと言われるが、良い環境があれば喜んで読むことを実感した」

 市民本位の充実したサービスで全国でも高い評価を受ける同館。「伊万里の社会教育の拠点として、もっと幅広い市民に使ってもらえるよう仕掛けていきたい」と話す。愛読書は柳田国男の「遠野物語」。

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