「不安な気持ちを無理にふたをしないほうがいい」と話す永田貴子所長=小城市の佐賀県精神保健福祉センター

 新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言の地域拡大に伴い、佐賀県も対象になった。終息が見通せず、感染に対する不安は募り、自粛による外出制限が強まる中、心の健康をどう保てばいいのか。精神科医で佐賀県精神保健福祉センターの永田貴子所長に聞いた。

 ■感染や外出自粛によって予想される心の健康への影響は。

 日常のライフスタイルが一変してしまうという意識を高めてほしい。家で業務をこなす「テレワーク」にしても慣れない生活の一つ。食欲の減退や腰痛、頭痛といった体調の変化、さらに憂うつな気持ちになったり疲労感が抜けなかったりと、影響が出てくる。特にストレスによる顕著な変化は「睡眠」。途中で目覚めるなど睡眠不足を感じたら、メンタル面に影響が及んでいると自覚してほしい。

 ■不安やストレスに対し、どのような心構えが必要か。

 こういった状況では、不安やいらだちを感じるのは自然なこと。家の中でできることを見つけてほしい。音楽を聴いたり、ストレッチをしたり、お風呂に入ったりすることで、気持ちを落ち着かせる。呼吸法は効果的で、ゆっくり鼻で吸って口から細く吐き出す。これを繰り返すことで、緊張を緩めることができる。

 ■緊急事態宣言が出たことで、子どもの自宅待機が再び始まる。家族の接し方は。

 通常通りの態度、会話でいい。「今日は何をしていたの?」「どんなゲームしたの?」とか具体的なことを聞く。子どもは不安によるイライラや腹痛、頭痛などを訴えるほか、急に反抗的態度を取ったり過度に甘えたりしてくる。ゆっくりと話を聞くことで、落ち着きを取り戻し、症状が治まることもある。

 在宅時間が長くなると、子どもはどうしてもゲームに依存しがち。それを避けるため、例えば平日は1時間以内、休日は2時間以内など、本人と一緒にルールを決めるのが重要だ。

 家事などの「手伝い」に感謝の気持ちを示すことで、子どもは自己効力感や自尊心を得られる。料理をしたり、植物を育てたり、カードゲームを楽しんだりと、親子で一緒にできることを見つけてほしい。

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 心の悩みや不安への相談は「佐賀こころの電話」、電話0952(73)5556(月~金、午前9時~午後4時)、小城市の県精神保健福祉センターで対応する。相談希望者は事前予約が必要。電話0952(73)5060。

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