佐賀県は15日、前日に新型コロナウイルスへの感染が確認された唐津市の2人の男性のうち1人は九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)敷地内の工事に従事している大手ゼネコン大林組の50代の社員であることを明らかにした。九電は原発内の全ての工事を一時中断し、作業員ら約300人を出勤停止にした。

 県によると、男性は3月29日に弔問のため北九州市を訪れた。4月10日には大阪市に日帰りで帰省し、唐津市の自宅に帰宅後、発熱と味覚障害の症状が出た。県は北九州市の訪問を感染源と推定している。男性は12日まで自宅で過ごし、13日に医療機関を受診、陽性が確認された14日に入院した。現在、発熱とせきがある中等症の状態という。

 発症後の濃厚接触者は確認されていない。発症前の3月29日から4月10日の間、男性は自宅と原発敷地内の現場を行き来していたというが、県は「改めてこの間の行動歴を詳しく調べる」としている。

 九電によると、男性は航空機テロなどに備える特定重大事故等対処施設(特重施設)の土木工事に従事していた。発電部門との接触はなく、原発の安全運転に影響はないという。完成期限は3号機が2022年8月、4号機が9月で、間に合わない場合は原子炉を停止しなければならないが、「工事中断の期間や工程への影響は現時点では不明」としている。

 特重施設の工事には約260人が従事していて、九電は社員を含む約300人を出勤停止にした。期間は未定と説明している。大林組の広報担当者は「感染者の行動歴の確認や保健所の調査に協力し、指導に従って対応する」と述べ、関係者の安全を確保しつつ事業を継続するとした。

 全国の原発では特重施設建設や再稼働に向けた安全対策工事が進んでいるが、原子力規制庁によると、原発工事従事者の新型コロナウイルスへの感染が確認されたケースは初めて。

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