玄海原発3、4号機

 玄海原子力発電所(東松浦郡玄海町)での工事に従事していた唐津市の50代男性が新型コロナウイルスに感染していたことが確認されたことを巡り、九州電力は15日、玄海原発内での全ての土木建築関連工事を一時中断すると発表した。男性が携わっていたテロ対策施設工事の完成期限は3号機が2022年8月、4号機が9月までで、間に合わない場合は原子炉を停止する必要があるが、九電は「工事の中断期間や工程への影響は、現時点では不明」としている。

 九電などによると、男性は大林組の社員で、2016年10月から航空機によるテロなどに備え、原子炉の冷却を維持するための設備を整備する特定重大事故等対処施設(特重施設)に関する土木工事に従事していた。発電部門の人員との接触はなく、九電は「発電所の運転に影響はない」と説明している。

 男性の感染が確認された14日の夜以降は、玄海原発構内で実施している全ての土木建築関連工事を一時中断した。男性が関わる工事には3月末時点で約260人が従事しており、九電の社員などを含む約300人を出勤停止にした。

 大林組の広報担当者は取材に「感染者の行動履歴の確認や、保健所による濃厚接触者の調査に協力し、指導に従って感染拡大防止に向けて対応する」と述べ、関係者の安全を確保しつつ事業を継続するとした。

 全国の原発では特重施設建設や再稼働に向けた安全対策工事が進んでいるが、原子力規制庁によると、原発工事従事者の新型コロナウイルスへの感染が確認されたケースは初めて。

 特重施設の設置期限は原発本体の工事計画認可後5年以内とされている。原子力規制委の更田豊志委員長は3月26日の衆議院原子力問題調査特別委員会で「現時点では従来の見解を変更する必要はない」とする一方、新型コロナの影響に関して「戦争に匹敵するような事態になったときには、経産相から要請を受けることになると思う。その際は規制委として公開の場で議論することになる」と答弁し、期限延長も否定しない考えを示している。

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