桜が満開になった小城公園

 小城公園は江戸時代、藩主の庭園で、明治初期に旧小城藩士たちが奔走し、公園となった場所である。例年多くの花見客でにぎわう。

 小城藩初代藩主鍋島元茂、2代直能(なおよし)が領内の岡に桜の木を植えさせ、明暦2(1656)年に桜岡と称した。延宝3(1675)年、和歌を通じて親交があった後西院(ごさいいん=前天皇)と18人の公家から桜岡を詠んだ和歌が贈られた。直能は大変名誉なこととして、自身の和歌を加えた和歌集を「海外飛香」と称した。桜岡は現在まで300年以上桜の名所として知られるようになった。

 明治になり、旧小城藩士の中に、桜岡を公園として存続させようとした人々がいた。小城出身の書家中林梧竹も公園開設願に名を連ねた。明治政府への手続きを経て、明治8(1875)年に桜岡公園が開設された(昭和26年、小城公園となる)。開設の認可は内務卿大久保利通の名で出されている。公園頂上の「後西院御製碑」など梧竹筆の碑が園内に点在している。

 明治8年といえば佐賀の乱の翌年で旧小城藩士の中には、懲役刑に処せられた者がいた。獄中からの書簡が残っており、桜岡公園開設に触れ、直能の「御恩徳」が天下に伝わる、と喜びを書き記している。

 満開の時期は過ぎましたが、ぜひ小城公園を訪ねていただければ幸いです。(小城市教育委員会文化課・田久保佳寛)

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