Q 今年の4月1日に民法の内容が変わったと聞きました。民法改正は私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。

 

A 民法のうち契約関係に関する部分(債権法)が今般改正され、今年4月1日に施行されました。この部分は1896年(明治29年)に民法が制定されてから現在に至るまで、約120年間大きな改正がなされておらず、解釈や判例の積み重ねによって時代に対応する運用がなされてきました。

 しかし、社会が多様化し取引(契約)の形も変わってきたため、債権法部分の抜本的な改正がなされることになったものです。

 例えばこれまで契約ごとに期間が違った「消滅時効」の期間を『権利を行使することができることを知った時から5年』に統一したり、現在の市場金利をふまえて法定利率を5%から3%に引き下げたうえ今後の金利状況に応じて変更を認めるなど、市民生活にも大きな影響を及ぼす改正が含まれています。

 また、保証や債権譲渡、契約責任に関するルールも大きく変更されており、企業や個人事業主といった事業者には、改正債権法に対応する形での契約書や取引内容の整備が求められるなど、企業活動においても多様な影響が生じると思われます。

 そのほかにも、現在では日常的に使用されている『約款』についての規定が整備されたり,これまで解釈や判例の蓄積によって運用されていた部分を条文化して明確にしたりするなどの改正もなされています。

 なお、経過措置として一部の例外を除き、今年3月31日までに締結された契約については改正前の民法が適用されますが、賃貸借契約等で4月1日以降に契約が更新された場合には改正後の民法が適用されることになるので注意が必要です。

 今回の改正範囲は極めて大規模なものであり、その影響が及ぶ範囲も多岐にわたります。今後このコラムでも債権法改正に関し、重要な改正部分についてご紹介できればと考えています。

(弁護士 半田望 佐賀市)

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