佐賀県内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから1カ月となった13日、山口祥義知事は「13事例全てで感染拡大を抑えられている」との見解を示した。急速に感染が広がっている福岡県と隣接している特性を踏まえ、「これからが正念場」と警戒感をあらわにした。

 山口知事は対策本部会議で、県内の13事例について「感染源は全て県外からと推定される」と報告、「県内から県内へ感染した事例は見られないが、これが増えていくと、都市部のように(行政で)対応できない事態になる」と述べた。

 県によると、県内感染者13人の現状は、退院1人、軽症者10人、積極的治療を要する中等症者2人、生死に関わる重症者は0人。中等症の2人には病状の悪化を防ぐ予防的措置として、新型コロナウイルスへの効果が期待されている新型インフルエンザ治療薬「アビガン」が投与されている。

 県によると、13事例では発症後、いったん平熱に戻る症例が散見されている。「初期の兆候を見逃さず、本人や家族が慎重な行動を取ることで、広がりを抑えたケースがあった」とし、家族に感染が疑われる場合は、行動の動線を分け、手を触れる部分の消毒、自宅待機を呼び掛けた。

 県は、患者からの聞き取りで、接触者の関係図をつくり、全員にウイルス検査を実施してきた。山口知事はこれを「マンツーマンディフェンス」に例える。感染の入り口と出口を判明させる狙いで、特に出口側の感染の広がりを防ぐことに注力する。保健福祉事務所など現場の負担は大きくなっていて、県関係者は「この方法は1日1件程度だから可能。何とか今の状況をキープしたい」と話す。

 山口知事は「緊急事態宣言対象地域の7都府県の知事、住民の行動に日本の未来がかかっている」と強調した。その上で「今後、危機的状況が訪れる覚悟で備えたい」とし、現在24床ある感染症の病床について倍増の50床が受け入れ可能になったと発表した。

このエントリーをはてなブックマークに追加