生徒が福岡県から通学したり、寮生活を送ったりしている県内の私学の中学・高校が、新型コロナウイルスの対応に苦慮している。休校の継続と授業の再開を模索する中で、学校の判断で通学できない保護者からは不満の声も上がる。県内でも感染が広がり、政府や自治体の対応も日々変わる中、感染防止と学習機会確保の両立に頭を悩ます。

 佐賀市の弘学館中・高は4月初旬に学校を再開したが、九州で感染が広がっていることを受けて8日からの休校を決めた。生徒全体の7割以上が寮生で、福岡県や関東の出身者も多く、保護者の要望も受けて帰省させない措置を取った。寮生は学校で学習し、一部で教科書を用いた予習も取り入れる一方、通学生は自宅でオンライン学習を活用するなどしてサポートすることにした。

 こうした対応の違いに、通学生の保護者からは「不公平」「教師は学校に通勤していて子どもは通学できないのはおかしい」といった声が上がっている。学校側は「感染を防ぐためのやむを得ない判断だが、緊急事態宣言の発令など事態がどんどん変わって対応が難しい。夏休みの補習などを通じて、通学生も寮生も授業や学習の機会をきちんと確保する」としている。

 在校生の7割以上が福岡県から通学する三養基郡基山町の東明館中・高は、大型連休まで臨時休校している。インターネットを活用した自宅学習の遠隔授業を準備し、今後は夏期補講を授業に振り替えることも検討する。学校側は「中学の新入生が不安に感じていないか心配」と話す。唐津市の早稲田佐賀中・高も臨時休校になっている。

 佐賀市の成穎中・佐賀学園高は、13、14日から2週間程度は授業を行わず、自宅学習や校内での自習に切り替えた。JRなど公共交通機関で通学する生徒が高校生で6割、中学生で4割いることなどを考慮し、登校時に混雑する時間帯を避ける狙いもある。

 同市の佐賀清和中・高、龍谷中・高などは学校を再開して通常通りとなっている。

 県教育委員会は、再開している全ての県立高について、緊急事態宣言が出ている福岡県からの通学生に対して登校の自粛は要請していない。県内外に関わらず感染への不安から欠席している生徒が一定数いて、欠席扱いせずに対応している。

このエントリーをはてなブックマークに追加