女性の生涯でホルモンが大きく変化する時期が2回あります。エストロゲンの分泌が高まる上り坂の思春期と下り坂の更年期です。思春期は恥毛や腋毛が生えてきて胸が膨らみ「身体の変化に心がついていけない状態」です。一方、更年期はホルモンが低下し身体のあちこちに不調が出てきて「ホルモンの低下に身体がついていけない状態」です。

 更年期の症状はホットフラッシュや発汗が典型的な症状ですが、その他に頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、関節痛、抑うつなど何でもありです。何か原因があるかもと、脳神経外科や耳鼻科、循環器科、整形外科、精神科などを受診され検査の結果異常はなく、「更年期」といわれて婦人科を受診されることもしばしばです。

 中には、月経がありホルモンはしっかり出ているのに「更年期かも?」と心配して来院される30代の方もいます。同様の症状で自律神経失調症や月経前症候群ということもあります。

 診断には、閉経後に上昇するLH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)が高くなっていないか、卵巣から分泌されるE2(エストラジオール)が低下していないか値を測りますが、ホルモン剤を投与してみて症状が改善すれば診断的治療となります。ホルモンの飲み薬、貼り薬、塗り薬など多くの種類がありますが、ホルモンは苦手という方は漢方薬やプラセンタの注射があります。薬にも抵抗があるという方はエストロゲンに似たエクオールのサプリメントもあります。ずっと薬を使い続ける必要はありません。ほとんどの方が1~2年で体調が良くなり更年期を卒業していかれます。ちょっとだけ薬の力をかりて更年期というトンネルを上手に通り抜けましょう!(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

このエントリーをはてなブックマークに追加