新型コロナウイルスの感染予防を訴える手製の看板が設置されたJR佐賀駅の改札=佐賀市

 ついに発令された新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言。対象の7都府県には福岡県が含まれ、県境をまたいで営業拠点を設けている佐賀県内の企業や、福岡からの来客が多い商業施設などは7日、翌日からの業務を見据えて対応に追われた。

 ■銀行

 福岡県内に4店舗を展開する佐賀共栄銀行は7日午後、緊急事態宣言を前に部長会議を開き、飛び込みの営業などを自粛し、顧客を訪問する際は事前連絡を徹底することを決めた。

 公共交通機関での通勤を避け、自家用車の利用を呼び掛ける。福岡など自家用車での通勤が難しい場合は、JR利用について特別に特急も認める。

 従業員が分散して勤務する「スプリット勤務」や、特に重要な業務を担う人材の隔離なども検討する。人事部の冨永健司部長は「県内に比べて福岡ではお客さまの感じ方が異なり、『(営業に)来ないで』という声もあると聞いている。要望に応じた営業活動を徹底しないといけない」と話す。一方、資金繰りが苦しい顧客には早急に対応していくという。

 佐賀銀行は全83拠点のうち、東京都内に1拠点、福岡県内には28拠点がある。東京支店では地震などの災害に備え、従来から非常食や寝袋などを配備している。担当者は「公共交通機関の運休なども予想され、東京支店には行員が宿泊できる体制を整えている」と話す。 

■商業施設

 「福岡県内の大型店が閉まれば、お客さんがどっと流れてくるかもしれないし、今以上に減るかもしれない」。佐賀市内の大型商業施設の担当者は初めての経験だけに、予想や対応の難しさを口にする。本社からの指示を待つことになるが、営業時間の短縮なども視野に入れる。

 県内で大きな影響が出そうなのは、福岡都市圏に隣接する鳥栖・基山エリアで、各商店などが具体的な対応を模索している。鳥栖市の洋菓子店「アンジェ・ココ」は、福岡など県外からの来客が約5割を占めることもあり、一度に入店する人数を制限することを考えている。担当者は「様子を見ながら具体的に決めていきたい」と話す。

■公共交通機関

 佐賀県と福岡県を結ぶ鉄道や高速バス、佐賀空港発着の羽田便などは、すでに減便を実施している。各事業者は「行政の要請内容を確認する必要がある」と口をそろえ、さらなる減便の可能性も示唆する。

 JR九州は3月の切符などの販売額が前年の約半分に落ち込んだ。緊急事態宣言前から利用者の減少を考慮し、佐賀駅を経由する特急「ハウステンボス」を全便運休させるなど、在来線や新幹線の運休計画を発表していた。西日本鉄道は佐賀市と福岡市を結ぶ高速バスを平日85便から73便に減便し、全日空(ANA)も1日5往復の佐賀―羽田便を3~4往復に減らす。

 JR九州は「今後もお客さまの利用状況を見て検討していく」、西日本鉄道は「現段階ではさらなる減便は考えていないが、行政側の要請の内容を受けて検討する」と話す。

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