時間差で食事を提供し、密集と密接を避けている学生寮。手作りの使い捨てマスクも、食堂のテーブル上で、箱に入れて配布している=東京都小金井市の松濤学舎

 政府が緊急事態宣言の発令を表明した6日、東京に支社や事務所を置く佐賀県や県内の企業は、在宅勤務を拡大して感染防止策を強化するなど、前例にない対応を迫られた。大学によっては、オンライン授業を受けている学生もいる。県関係者は「いつ終息するか分からない」と長期化を懸念しつつ、それぞれ感染防止策を講じている。

 佐賀県首都圏事務所は、緊急事態宣言の発効日に在宅勤務を拡大する。職員19人のうち、出勤者は2人にする。各職員は業務用のタブレット型端末を所有しているため、自宅でも県庁のシステムにアクセスができ、文書決裁もできる。

 省庁からの情報収集や企業誘致などの業務があるが、感染対策で来訪を断られるケースも増えていた。元村直実所長は「この状況がいつまで続くのか。前例のない事態で悩ましいが、職員の感染防止に努める」と話す。

 松尾建設は2日から、東京本社・支店の内勤者約20人を時差出勤から在宅勤務に切り替え、宣言後の対応も検討している。同様に都内に支社がある県内IT企業は、8日から全職員約30人に在宅勤務を拡大する。

 都内に市場関係の本部機能が併設された支店を置く佐賀銀行は、2月に対策本部を立ち上げた。ロックダウン(都市封鎖)など「最悪の場合を含めて複数のシナリオを検討している」(担当者)という。

 県関係の約30人が生活する都内の男子学生寮「松濤学舎」も警戒度を高めている。食堂での食事は時間差にし、両手を広げて人に接しない距離を取り「密閉、密集、密接」を避ける。毎朝8時に前日の都内感染者数を寮内放送し、不要不急の外出自粛を呼び掛けている。

 多久市出身で東京大工学部3年の小野赳さん(20)は、4日から大学のオンライン授業を自室で受けている。パソコン越しに受講しているのは150人に上る。小野さんは「オンライン授業で特に不便は感じないが、ネット環境を持っていない学生は大変そう。大学によって休校が続いている人や、居酒屋などのバイトがしばらく休みになった人がいる」と話す。

 岩橋誠舎監は「感染しない、させないが大原則で、命が最優先。感染者が出たら寮の運営に直結する」と細心の注意を払う。

このエントリーをはてなブックマークに追加