自宅前から「さるこうカー」に乗り込む利用者=佐賀市久保田町

 佐賀市久保田町のまちづくり協議会が3日、高齢者の外出支援事業として、町内を自由に移動できる「さるこうカー」の運用を本格的にスタートさせた。地元住民らでつくる協議会が、行政の支援を受けず、独自に車両を使用した外出支援事業を行うのは県内で初めて。(2018年4月4日の記事)

 佐賀市久保田町のまちづくり協議会による町民の外出支援事業「さるこうカー」の運用が2年を迎えた。お年寄りなどの「生活の足」として定着し、登録者数は当初から2倍に。需要が高まる一方、事業を広げるためのドライバーの確保などが課題となっている。

 週2回、買い物のために利用する堤雅江さん(78)は自宅前から乗り込む。夫の転勤先だった長崎市から14年前に久保田町に戻り、「近くに郵便局や商店がなくなっていたことに驚いた」。免許を持っていないため、以前は運転する夫に頼んでいたという。堤さんは「近くに住む1人暮らしのおばあちゃんと乗り合わせて買い物に行くこともある。外に出掛ける機会も増えてありがたい」と話す。

 さるこうカーは現在、軽自動車1台で、町民を対象にした会員制。1回のガソリン代50円で、病院やスーパー、知人宅など町内ならどこでも移動できる。平日の日中のみで、事前に電話で予約する。2018年4月の運行開始時に27人だった登録者数は、現在52人となった。1日平均12件の利用がある。

 久保田町の高齢化率は同市平均並みの27・9%(2月末現在)で、5年前と比較して4ポイント増えている。運行前から、町の老人クラブなどから「高齢者の移動手段を」と要望が出ていた。

 年間の運営費約150万円は、住民でつくる同協議会の会費や同協議会への市の補助金のほか、地域住民や民間企業などによる寄付金でまかなっている。一定額以上の寄付をした人には、お返しとして町産品を贈っている。昨年度は111件約85万円が集まったという。久野英德会長(73)は「町民の協力と善意で成り立っている。口コミで認知度も広がっている」と話す。

 徐々に需要は高まり、昨年度から利用制限を設けて、1人週3回まで(6往復)としている。「今後も利用頻度は増加すると見込んでいる。もう1台増やすことも考えるが、ドライバーの確保が課題となる」と久野会長。現在は謝礼程度の有償ボランティア3人が運転手として支えている。次のステップに向けて解決策を思案している。

 

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