自民党佐賀県議団の研修会で、九州新幹線長崎ルートに関する説明をした後、報道陣の取材に応じたJR九州の前田勇人副社長=県庁

 九州新幹線長崎ルートの2022年度暫定開業に伴い、並行在来線となる肥前山口-諫早間を走る普通列車が佐賀方面の長崎線に乗り入れできない可能性が出ている問題で、JR九州の前田勇人副社長は2日、「利便性を確保できるよう検討したい」と述べ、分岐の肥前山口駅で乗り換えをせずに直通できるダイヤ編成に意欲を見せた。自民党佐賀県議団が開いた研修会で説明した。

 肥前山口―諫早間は、佐賀、長崎両県が鉄道施設を維持管理し、JR九州が運行を担う「上下分離方式」を採用する。16年の6者合意で、暫定開業から23年間は普通列車を「現行水準維持」することが決まった。

 経費節減で肥前鹿島-諫早間は非電化区間となり、普通列車はディーゼル車両で運行する。県によると、JR九州は「ディーゼルは速度が遅く、佐賀方面の長崎線への直接乗り入れは困難」との見方を示していた。県議会はこれに反発し、県も「6者合意の『現行水準維持』は本数だけでなく、利便性も含まれる」と主張していた。

 関係者によると、JR九州の前田副社長は非公開の研修会で「佐賀方面への通勤通学の利便性は重要な課題」との認識を示した上で、「暫定開業に向けて利用状況を見ながら、可能な限り利便性を確保できるよう検討したい」と強調、並行在来線と長崎線の分岐となる肥前山口駅で乗り換えを必要としないダイヤ編成に意欲を見せたという。

 終了後、中倉政義県議団会長は「前向きな説明をいただいた」と評価した。

 また、前田副社長は未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)をフル規格で整備した場合に建設財源に充てられるJRが支払う貸付料について「今の時点で当社が何らかの見通しを表明するのは困難」と述べたという。

 国は貸付料を年間86億円として佐賀県の実質負担を660億円と試算したが、前田副社長は「当社は一切関わっていない」とし、JR九州として県議団に初めて国の試算に関与していないことを説明した。

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