「鯱」のうろこ部分に下地漆を塗る輪島塗の職人=唐津市北城内の西ノ門館

修復作業が進む「鯱」

「鯱」のうろこ部分に下地漆を塗る輪島塗の職人=唐津市北城内の西ノ門館

下地漆を作る田谷漆器店の職人=唐津市北城内の西ノ門館

うろこ部分に下地漆が塗られている13番曳山「鯱」=唐津市北城内の西ノ門館

1930年の修復を記念して送られた輪島塗の大杯と66年に送られらた輪島塗の三方

 唐津くんち13番曳山(やま)「鯱(しゃち)」(水主町)の31年ぶり4回目の保存修復工事が、唐津市北城内の西ノ門館「曳山の蔵」で行われている。現在、輪島塗の職人たちが下地漆を塗る工程に取り組んでいる。進捗(しんちょく)状況は40~50%まで進み、職人たちは熟練の技術で着々と作業に当たっている。

 「鯱」は1876(明治9)年制作。これまで3回の修復が行われた。最初(1930年)と2回目(66年)の修復は輪島塗の職人が手掛けた。4度目の今回は昨年11月から始まり、輪島市の田谷漆器店の職人が唐津に常駐し、作業に当たっている。

 1月末、ひび割れや漆の剝がれ、古く傷んだ塗膜をかき落とす作業が終わり、2月から亀裂やへこみを修復した。現在は下地漆を表面に塗っている。きれいに仕上げるために大変重要な工程で、次の中塗り、上塗りにも影響する。

 下地漆は砥の粉、米のり、珪藻土(けいそうど)=輪島地の粉=を混ぜ合わせる。職人たちは作業場の一角で、その都度下地漆を作り、はけで丹念に塗っていた。同漆器店十代目の田谷昂たか大ひろさん(28)は「作業は順調で、予定も少し前倒しになっている」と手応えを話す。

 「鯱」の保存修復事業実行委員会は3月15日、水主町の人たちを対象に工事の見学会を予定していたが、県内で新型コロナウイルス感染確認を受け、やむなく中止となった。委員長で町内会長の古瀬俊明さん(67)は「鯱の頭の表面にある凹凸や、うろこの形が生きるような修復を輪島の技術で期待したい」と話した。

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