女性(18)は中学校にほとんど通わなかった。「いろんな出来事が重なって学校が嫌いになった」と話してくれた。詳しい理由は聞けなかった。

 「優等生の娘が急に学校に行けなくなった。ショックでした」。女性の母親も当時を振り返った。

 学校の保護者会での話や、親同士の雑談は子どもが学校に通っている前提で進む。事情を打ち明けられる場ではなく、抱え込んだという。

 唐津市のフリースクール「啓輝館」で話を聞いた。不登校の子どもたちを受け入れており、不登校だった頃、女性も通った。

 引きこもりがちだった女性は徐々に外に出るようになり、母親も同館の保護者会に参加し、「無理に学校に行かせなくてもいいのでは」と思えるようになった。

 親子はこちらの質問に丁寧に答えてくれた。淡々とした口調には、過去を乗り越えた強さを感じた。

 女性はこの春から福岡大に進学する。「大学では哲学を専攻したい。他人をこうだと決め付けず、寄り添える人になりたい」。新生活に向けて弾む声はまぶしかった。 (藤本拓希)

 

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