ブースの間隔を空けたり、部屋の換気を徹底したりと感染予防対策を行い開いたミニ合同企業説明会=佐賀市白山のジョブカフェSAGA

 新型コロナウイルスの感染拡大で、来春卒業予定の大学生を対象にした合同企業説明会が中止になる中、若者の就業を支援するジョブカフェSAGA(佐賀市白山)が3月下旬、感染対策を講じた小規模な合同企業説明会を臨時的に開いた。「人手不足に加えて大打撃。採用活動が思うように進まない」「場数を踏んで応募動機を固めたいと思っていたが、難しい」-。参加した企業、学生の双方から、手探り状態の就職活動にため息と焦りが漏れた。

 「こうした場は、のどから手が出るほど欲しかった」。企業のニーズに合わせ、システムを開発するビジネスソリューション事業などを展開し、佐賀市に事業所を置くアイセル(本社・東京都)の担当者は胸の内を吐露した。

 6月の選考に向け、昨年と同じく3月1日から企業説明会が解禁となったが、コロナ騒動で軒並み中止に。「学生と知り合う機会が極端に減った。入り口が狭くなっている状態」と説明する。

 電線に取り付ける絶縁体碍(がい)子(し)の製造会社「セイブ」(西松浦郡有田町)は、契約社員を募集としていた職種も「正社員」に変更したことを参加者に説明した。人手不足は「ほかと同じく深刻」(担当者)で、「スカイプでの面接を検討したいと思っているが具体的には決まっていない」と難しさを口にした。

 学生らの悩みも深い。小城市出身で長崎県の大学に在籍する男子学生(22)は、金融業やIT関係の職種を希望している。「ウェブを使った説明会も経験したがどんな会社か、雰囲気をつかみづらい」。昨年3月短大を卒業し、事務職やシステムエンジニアなどの職種を希望する神埼市の女性(21)も「ハローワークに通っているが、いろいろな企業を知る機会が限られ、難しい」と話す。

 佐賀県産業人材課には、県内の事業所から「情報発信する場がない」などの声が寄せられている。担当者は「最初の取っ掛かりがなく、県外の大手企業に流れてしまうのではと不安を抱えている」と話す。3月5日から18日にかけて説明会が相次いで中止になり、県内企業128社が参加できなかったという。

 佐賀労働局も、3月に実施した経済団体との意見交換で「学生と出会う機会が欲しい」と切望する声を受けた。31日の定例会見で、「互いを知る機会の確保に努めたい」とした。

 県などは人材確保の緊急対策として、18、22、24日にウェブ上での合同会社説明会を開くことを決め、準備を進めている。県内企業約80社が参加予定。県産業人材課は「ウェブでの開催だけでは必要十分ではないが、一方で何かスタート地点に立てる取り組みも必要だ。活用していただければ」とする。問い合わせは産業人材課、電話0952(25)7310。

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