佐賀特産のお土産を受け取り「或る列車」に乗り込む乗客ら=JR佐賀駅

 JR九州の観光列車「或(あ)る列車」が29日、佐賀駅発着で長崎駅まで運行した。約30人の乗客は、アンティーク調の豪華な車両に圧倒されながら、車窓に広がる有明海の雄大な自然と、県産食材によるスイーツで、至福の“汽車旅”を堪能した。

 「或る列車」の佐賀駅での発着は初めて。JR九州によると新型コロナウイルス感染症の影響で、数人がキャンセルした。それでも、福岡県をはじめ他県から高齢者夫婦や家族連れが訪れ、当日乗車は、ほぼ満席状態になった。

 佐賀市観光振興課は、ホームにミニバルーンを設置し、職員ら十数人がマスク姿の乗車客にお土産を渡した。富士町の苣木(ちやのき)茶と、県産米粉を利用して洋風菓子に仕立てた新作郷土料理もPRした。

 同課の山口真那美さんは「もっと大勢の関係者が手伝ってくれる予定だったが、こういう状況では仕方がない。ウイルス感染禍の終息後をにらみ、佐賀への観光につなげたい」と話した。

 ホームでは、乗客のほかに、金色に彩られた車両を一目みようと、鉄道ファンも駆けつけた。カメラを手にした40代の女性会社員=佐賀市=は「乗車したことがあり、幸せな気分にしてくれる列車。佐賀平野を走って、ウイルス禍の重苦しさを緩和してほしい」と、ホームに停車した列車に向けしきりにシャッターを切っていた。

 JR九州は、「或る列車」を、5月15日から6月29日までの金~月曜日、佐賀駅を起点として長崎駅、佐世保駅を回るコースの運行を予定している。

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