有田陶器市の延期について会見する有田陶器市委員会の深川祐次委員長(右)と松尾佳昭有田町長=西松浦郡有田町の大有田焼会館

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、例年4月29日~5月5日に佐賀県西松浦郡有田町で開かれている全国有数の焼き物市の「有田陶器市」について、主催する有田商工会議所は27日、延期することを決めた。期間中に100万人以上が集まるイベントを予定通りの期日で開催することは困難と判断した。また鹿島市では、5月31日に開催が予定されていた有明海干潟の祭典「鹿島ガタリンピック」の中止が発表された。

 有田陶器市の延期は同日、町や窯業・観光関係者、住民代表ら約50人で開いた有田陶器市委員会で決定した。新たな開催時期については、9月のシルバーウイークや11月の「秋の有田陶磁器まつり」の時期の案が出たが、開催は国から感染終息の見解が出ることが前提とし、感染状況が見通せない現時点では時期未定とした。

 委員会後に会見した有田陶器市委員会委員長で有田商工会議所の深川祐次会頭(62)は、業界が売り上げ低迷に加え、今回の感染拡大の影響で厳しい環境にあるとしながらも「リスクを冒して開催すべきではないとの多くの意見を踏まえ、断腸の思いで決めた。全国の焼き物ファンの期待を裏切る形になるが、ご理解いただきたい」とした。

 焼き物ファン向けに、4月29日~5月5日に有田陶器市のホームページでウェブ陶器市を実施予定で、購入者への送料を町が負担する方向で調整している。また、この期間、既存店舗での営業に一定の来場があるとみて、最低限の駐車場の確保や警備は行う方針。

 有田陶器市はこれまでに116回を数え、1942~47年の戦中・戦後の混乱期に中止になったが、延期は初めて。

 また鹿島ガタリンピックの中止は、実行委員会が同日発表。「参加者やスタッフ、市民の安全・安心を考慮した」と説明した。大会は昨年まで35回開かれ、昨年は国内外から約1400人が出場した。

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