一筆啓上賞「日本一短い手紙」で今年の大賞に、茨城県の高校3年生が母親に宛てた一通があった。〈俺が季節の変化に気づくのは、いつも、お母さんのお弁当を開いたときです〉。食は、誰かを思う便りのようなものかもしれない◆きのうの本紙6面に、県内の小学生から募集した食育の標語コンクールの入選作が紹介されていた。〈今日あのね できごと話す食卓で 笑顔もおかず家族のだんらん〉。夕げの語らいが聞こえてくるような最優秀賞の野田義洋さん(川上小6年)の好物は「お母さんが作るトンカツとカレー」という。お母さんが作る…君もいつか、季節の移ろいを味わうようになるのだろう◆新型ウイルス禍で「巣ごもり」が続くいま、食卓を囲んで家族の語らいはきっと増えているに違いない。〈よくたべて みらいのぼくをつくるのだ〉と梁井皓陽さん(田代小1年)は誓っている。この機会に親がやれることを見つめ直したい◆学校の一斉休校で、友達と楽しい給食が囲めなかった子どもたちもいる。さまざまな家庭環境があり、学校の役割は十分な栄養と食習慣を身に付けるなど、家族の食卓並みに重い時代である◆食が思いを届ける、人と人をつなぐ。池田華純さん(古枝小6年)の〈みんなでね 心合わせて いただきます〉をかみしめる。こんな日が早く来るといい。(桑)

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