木彫椅子にジーンズ姿(60センチ、FRP)

「装い・外出姿」(100センチ、FRP)

創作活動半世紀の節目に個展を開いている古賀義治さん=佐賀市の高伝寺前村岡屋ギャラリー

 みずみずしい女性像が、半世紀に及ぶ彫刻家人生を物語る。杵島郡白石町の彫刻家・古賀義治さん(86)の個展。過去に制作した裸婦像に衣装をまとわせ、新たに命を吹き込んだ作品をはじめ50点を展示。日展などで活躍し米寿を前にした今も意欲的な創作に励む古賀さんの、彫刻ひとすじに歩んだ道に光を当てる。

 古賀さんは佐賀大学教育学部で彫刻を専攻、1954年に中学の美術教諭となった。大学在学中から県展に出品していたが、古賀さん自身は、同展で知事賞に輝いた70年を本格的な作家人生のスタートと位置付けており、今年が節目の50年となる。長年テーマとする有明海の漁婦シリーズや、1970年代に作った裸婦像にノースリーブの上着などを着せて“再生”した作品など、多彩な女性像が競演する。

 古賀さんは、杵島にゆかりのある画家らでつくる「グループきしま」に参加。裸婦像の研修会を行い、肉感的な表現に磨きを掛けてきた。78年創作の裸婦像にジーンズとノースリーブを組み合わせた「木彫椅子にジーンズ姿」は、椅子の背もたれに片肘をつき、うつろな目で斜め上方を見詰める。角材を削って作った椅子もリアルで、作品の物語性を引き立てる。

 衣装は女性雑誌の写真などを参考にしているといい「腰回りの肉付きなど、体の線が出るジーンズは衣装として面白い」とあくなき探究心をのぞかせる。

 高さ100センチの「装い・外出姿」は人待ちをしているのか、腕組みをして遠くに目をやる女性がモチーフ。凛(りん)とした面差しとすっと伸びた背筋が印象的。作品は立像や座像が中心だが、12年制作の「夢まどろむ」は、体をひねった状態で横たわる姿。妖(よう)艶(えん)な雰囲気で存在感を放つ。

 古賀さんは「昔の裸婦像に衣装を着けていくと、当時の思い出がよみがえる。これからも自分のペースで作り続けていきたい」と柔和な笑みを浮かべる。(古川公弥)

 ▼佐賀市本庄町の高伝寺前村岡屋ギャラリー=電話0952(24)5556=で29日まで。

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