連携協定締結後、地元の子どもたちにアドバイスする日本フェンシング協会の太田雄貴会長(左)=佐賀市のSAGAサンライズパーク総合体育館フェンシング場

インタビューに応じる日本フェンシング協会の太田雄貴会長=佐賀市の佐賀新聞社

 佐賀市のSAGAサンライズパーク総合体育館フェンシング場が日本オリンピック委員会(JOC)の強化センターに認定された。日本フェンシング協会の太田雄貴会長が25日、県との連携協定締結のために佐賀を訪れ、施設の印象や活用法、自身が招致に携わった東京五輪の延期について語った。

 【佐賀の施設の印象】

 フェンシングを発展させていく中で地方拠点をつくっていきたいと考えていた。フェンシング専用道場は日本におそらく20カ所もない。佐賀は全国で見ても類を見ない素晴らしい環境。ピストが常設されていて、床面に足がひっかかることもないし、機器の設置、片付けの手間もいらない。天井も、剣が当たらない十分な高さがある。

 【強化の方針】

 個人的な思いとしては、佐賀を「エペ」の強化拠点にしていきたい。「フルーレ」の方が競技人口は圧倒的に多いが、競争も激しく、小学生からエリート教育を受けた人がたくさんいる。エペの方が日本代表に入れる可能性が高い。選択と集中の問題だ。エペの練習場所として代表やジュニア代表の合宿を開き、実際に高校生と剣を交える機会をつくっていきたい。

 【施設の生かし方】

 選手強化のみならず、施設を最大限に活用して価値を最大化させることで、税金を払う県民、市民の方に還元しなければならない。小中学生から社会人まで市民の憩いの場、活動の場になれば。競技人口が増えているアジアに目を向け、フェンシングをコンテンツとして来県者の増加につなげることもできる。健康寿命を延ばすためにフェンシングに限らず、例えばヨガに使ってもいい。全日本選手権のパブリックビューイングをして体験をセットにしてもいい。

 日本フェンシング協会の「学校訪問プロジェクト」はぜひ推進したい。本物を見せ、応援する喜びをつくっていく。佐賀は実際に競技を始めたいと思った子どもたちが練習場に足を運べる環境がある。フェンシングを通し、チームワークだったり、創造性であったり、高潔さであったり、さまざまなことを学んでもらいたい。

 【東京五輪延期について】

 アスリートである前に、社会の一部、一人の人間であることが大前提。この状況下では、満足した状況での開催が難しいことは明白だった。中止という最悪のケースが避けられたことに感謝したい。特に競泳や陸上などのフィジカルを使う競技やベテラン選手にとって、1年先延ばしの影響は大きい。ただ、選手は応援される環境下で試合をすべき。スポーツをできるのは支えてくれる人の存在あってこそという感謝を忘れず、気持ちを切り替えて来年に向かってほしい。人類が新型コロナウイルスに打ち勝ち、その象徴としてオリンピックを迎えられたら、世界にとってのシンボリックな大会になると思う。

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