「残った能力の活用 リハビリで最大限に」
充実した日常生活を送れるようサポート

 けがや疾患などが原因で、機能や動作が障害された方の生活再建することがリハビリテーション(以下、リハビリ)。理学療法、作業療法、言語聴覚療法の幅広い知識を持つ専門家を有するひらまつ病院リハビリテーション部の北島貴大部長に、発症から復帰までのリハビリについて聞きました。

リハビリは人々の活動を育む医学

 リハビリは、障害者(患者さん)の機能回復訓練のみを指すものではなく、もっと広い意味を持ち、一人の人間として、元の地域社会において自立した生活を送れるようにすることです。脳血管障害など「中枢神経疾患」や、スポーツなどで負った「整形外科疾患」で生じた障害を可能な限り回復させて、日常生活や社会生活はもちろん、スポーツをする人には、スポーツ現場で充実した活動ができるようにサポートするものです。最近は老化とともに筋力が落ちるロコモティブシンドロームなどの予防医学にまでリハビリの領域が広がっています。
 リハビリの流れは、発症から急性期・早期リハビリ、回復期リハビリ、生活期・維持期リハビリと段階を踏んで進んでいきます。例えば、中枢神経疾患では発症して間もない急性期・早期からリスク管理をしながら、まずベッドから起こすことを始めます。回復期は積極的に活動を促し、歩行や日常生活(トイレ、更衣など)を獲得していき、生活に戻るための基本的な部分を整え、仕事復帰など個々の目標に応じた活動を獲得していくリハビリを行います。生活期・維持期には、それまでのリハビリの成果を「維持」するとともにQOL(生活の質)を向上させていくリハビリを行います。

 

それぞれの疾患に合わせたリハビリ

 当院のリハビリを利用する患者さんの約5割が脳血管疾患、3割が運動器障害。2割が呼吸器疾患などです。

● 脳血管障害などのリハビリ 脳卒中で半身まひになった方の約8割は歩くことができる可能性があります。リハビリで体を動かして残った機能を最大限に活用しつつ、埋もれた機能を呼び起こして日常生活を送れるように導いていきます。

● 運動器リハビリ 高齢者の場合、骨折して体を動かさなくなると筋力が低下します。元の生活にどう戻していくかを考えたリハビリを行います。スポーツ選手には競技復帰を目標にしたリハビリを行います。当院には「アスレティック・トレーナー(日本スポーツ協会公認)」の資格を持つスタッフが5人います。スポーツ選手やスポーツを楽しむ方のけが予防やコンディショニングのやり方なども指導しています。

● 呼吸器リハビリ 呼吸器の病気によって生じた障害に対して、身体活動(運動+生活活動)の向上、あるいは維持させ、日常の生活ができるよう継続的に支援していきます。

● 周術期リハビリ 手術後、肺に水がたまりやすくなるなどのリスクを回避するために、ベッドから起こしたり、呼吸などのリハビリをします。術前から術後のリハビリを説明・実施することで慣れをつくり、術後リハビリを円滑に行っていきます。

● 心大血管リハビリ これから取り組んでいく分野ですが、心筋梗塞、狭心症など心疾患の治療が落ち着いた時に循環器の専門医とチームになって心機能を考慮して行います。

 

ひらまつ病院内のリハビリ室

長期的な目標を立てる

 発症した当初は落ち込んだり、いろいろな感情が出てくると思います。でも、例えば1年後を目標にするなど長期的に考えてリハビリしていくと、徐々に疾患による障害を受容して、自分の中で折り合いをつけられるようになります。
 これからも患者さん、ご家族を当院の理念のように「笑顔」「和」「思いやり」をもって、よりよい生活ができるようにサポートしていきます。

 

MEMO

リハビリテーションとは 

 リハビリテーションは、人々の活動を育む医学です。

日本リハビリテーション医学会より

 

 

 

医療法人 ひらまつ病院

 

リハビリテーション部

部長・北島 貴大

きたじま・たかひろ 1997(平成9)年 4月理学療法士・資格取得。医療法人静便堂、白石共立病院(杵島郡)を経て2000(同12)年4月、医療法人ひらまつ病院に入職。2011(同23)年10月、公益財団法人日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー取得。佐賀県回復期連絡協議会事務局、佐賀県スポーツ協会トレーナー部会所属。

 

 

 

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