「症状出る前に」を意識し定期的な健診・検診
最新検査機器で体の負担なく早期発見・早期治療を

 日本人の死亡原因の3分の2を占めているがん、心疾患、脳血管疾患(「2018年人口動態統計」=厚生労働省2019年発表)は、いずれも自覚症状がないまま静かに進行していきます。体に負担が少ない検査を取り入れて、「症状が出る前」の定期的な健康診断やがん検診を呼び掛ける福岡病院の福岡英信理事長兼院長に聞きました。

早期発見で肉体的、精神的、経済的な負担を少なく 

 がんは、早期発見、早期治療すれば完治する時代です。最も重要なのは定期的な「健康診断」と「がん検診」です。「気恥ずかしい」「怖い」「忙しいから」と先延ばしにすることは、本人も家族も企業も「あの時検査していれば」と後悔してしまいます。また、進行してからの治療は肉体的、精神的、経済的にも大きな負担がかかります。
最近の検診方法は、最新機器の導入などで、体に負担が少なく、短時間で小さな病変も分かるようになりました。「自分は大丈夫」と根拠のない過信はしないで、ぜひ定期的に健診とがん検診を受けましょう。

心臓CTで心筋梗塞や狭心症を予測

昨年から導入した最新機器「64列マルチスライスCT」を用いた「心臓CT検査」で撮影した心臓の画像

 頸(けい)動脈エコー検査で頸動脈内に1.5ミリほどのプラーク(こぶ)があれば、動脈硬化が進行していますので「心臓CT検査」をお勧めします。心臓に栄養を送る冠血管(冠動脈)が動脈硬化によって、狭心症や心筋梗塞を引き起こし、突然、胸の痛みに襲われて重篤な結果を招くことがあります。当院では昨年、心臓全体を立体的で、冠血管の断面図をクリアな画像に映す最新機器「64列マルチスライスCT」を用いた「心臓CT検査」を導入しました。カテーテルを使用しない造影剤の注入のみで検査も短時間。画像から狭心症や心筋梗塞の発症が予測できます。

1回の検査で全身のがんの有無を調べるPET-CT検査

 最近は「PET-CT」検査という言葉を耳にすることも多くなったのではないでしょうか。この検査は、がん細胞がブドウ糖を多く取り込む特徴を生かして、病変の性質やがんの詳細な情報をとらえます。2時間程度の検査1回で全身を調べることができ、痛みもなく約6㍉の初期がんの位置を正確に発見できます。尿管がんなど、PET-CTだけでは発見が難しい部位には、超音波やMRIも行い、発見の精度を高めます。当院では音の静かな最新のMRI機器を導入し、さらに検査を受けやすくしました。

MR胆管すい管撮影(MRCP)ですい臓がん検診も楽に

 すい臓は胃の後ろ側にあります。すい臓で作られたすい液は、すい臓内を走るすい管から十二指腸に流れています。すい臓がんは症状が出にくいのが特徴で、進行すると背中や腰の痛みになって現れますが、その時にはかなり進んだ状態ということが多い臓器です。すい臓がんは男女ともに増加傾向です。そこで、当院では検査の垣根を低くしようと、4月からMR胆管すい管撮影(MRCP)検査を始めます。造影剤や内視鏡を使わないので体の負担が軽く、検査薬を飲んだ後、MRI撮影で小さながんを発見します。胆石がある方やⅡ型糖尿病の方はすい臓がんのリスクが高くなるのでおすすめです。

体外診断可能な大腸CTC検査

 大腸がんは女性の死亡原因第1位です。一般的な内視鏡による大腸がん検査は、敬遠されがちですが、当院は体外から診断できる「大腸CTC検査」が約15分でできます。
免疫力は20代をピークに加齢とともに下がり、40代に入ると一気に低下します。免疫力が落ちるとさまざまな病気にかかりやすくなります。40代以降になったら免疫力が低下していると自覚し、定期的に健康診断やがん検診を受けてください。

子どものころから健診の大切さを意識付けて

 自分や家族、社会のために健康で命を守ることは大事なことです。「症状が出る前」を意識してください。子どもが幼いころから家庭内でも学校でも健康診断やがん検診の大切さ、継続の大事さを話題にし、病気になって治療すると、実は大金がかかっていることを意識付けしてください。そうすれば、受診率は上がっていくと思います。また、精密検査や再検査の通知が来たら、必ず受けましょう。

 

MEMO 血液検査で簡単にがんリスクチェック

 MB(Metallo-balance/メタロバランス)検査 

 血液でがんのリスクを判別できるMB検査が、福岡病院で受けることができます。1回の血液採取で済み、簡単にがん検査ができるのがメリットです。判別できるのは大腸、胃、肺、肝臓、すい臓、乳、子宮頸(けい)と子宮体、卵巣のがん9種です。症状が出る前、早期発見のためにぜひ利用してください。
 

 

医療法人 福翔会 福岡病院

 

福岡 英信

理事長兼院長

ふくおか ひでのぶ 日本核医学会・内科医学会・腫瘍学会・放射線腫瘍学会所属。PET核医学認定医。

 

 

 

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