墜落事故から約2年1カ月ぶりに陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)の敷地外を飛行するAH64D戦闘ヘリコプター。奥は三養基郡上峰町=25日午前10時17分

 神埼市千代田町の民家への陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)所属の戦闘ヘリコプター墜落事故後、初めて同型機が住宅地などの上を飛行した。事故現場付近の住民から飛行ルート変更を希望する声や事故風化への懸念が聞かれた一方、駐屯地周辺では“日常”を冷静に受け止めつつ再発防止を求めた。

 「燃えながら落ちる瞬間を見た。音には敏感になっている」。事故現場そばに住む男性(43)は当時を振り返る。約2年1カ月ぶりに駐屯地外を飛行した25日は現場上空に機影は見えず「現実味はない。ただ、音を聞けば思い出すかも」と漏らした。民家の上空を飛行しないなど「訓練ルートをよく考えてほしい」と強く願う。

 現場付近にあった幼稚園に娘を通わせていた夫婦は風化を懸念した。事故が起きた2月5日を園は「防災の日」としており、母親(40)は「事故のことは家でなかなか話さない。娘が園で聞いたことを話してくれた」と話す。父親(41)は「風化させてはいけない。神埼市の『防災の日』にしてもいいのでは」と投げ掛けた。

 一方、事故後も同型機を除く駐屯地のヘリが上空を飛行してきた吉野ヶ里町。駐屯地周辺に50年以上住む女性(88)は「ヘリはいつも飛ぶ。落ちた機体が飛び立っても何も変わらない」と気にする様子はない。別の女性(63)も「飛ぶのは日常」と口にしたが「『落ちた』という事実を受け止め、責任を持った運用を」とくぎを刺した。

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