施設の入り口に置かれている「面会中止」の案内板。佐賀市での新型コロナウイルス感染者確認を受けて、感染防止策を強化した=多久市の天寿荘

 新型コロナウイルスの感染者が佐賀県内で初めて確認されて20日で1週間になる。重症化リスクが高い高齢者の福祉施設では面会禁止の対応をとる施設も出て、職員が神経をすり減らす。感染者が確認された佐賀大学では学内に人の姿はあまり見られず、大学再開の時期を気にする学生も。各地で県民の声を聞いた。

■高齢者施設

 「毎日、神経をすり減らしている」。多久市の特別養護老人ホーム天寿荘の諸隈博子施設長は、感染防止に注意を払う職員の疲労を心配する。職員用のマスクも不足しており、県内初の感染が確認された13日以降、面会を原則禁止にした。マスクの在庫は「1カ月分ほど」。通常は1日に複数枚使う現場の職員も、1枚にしてしのいでいる。国や県は介護施設への優先配布を検討しているが「いつになれば手に入るのか。まったく先が見えない」と不安を募らせる。

■佐賀大学

 学生の感染が確認された佐賀大学(佐賀市)。春休みで講義もなく図書館は閉館し、学内に人はまばら。芸術地域デザイン学部3年の江副知花さん(21)は「一時の騒ぎも沈静化した。大学がいつ再開するのか、就活はどうなるのか、といったところに学生の関心は移っている」と指摘する。一方で、感染した学生の内心を案じる。SNSで「軽率だ」などとその学生を批判するコメントを多く見かけたといい、「本人も『佐賀』『コロナ』と検索しているのでは。SNSに書き込む時は、その学生が見ていると思ってコメントしたい」と思いやった。

■スポーツジム

 他県では集団感染の現場とされたスポーツジム。佐賀市のジムでは、感染拡大防止のためにプログラムの中止を余儀なくされたこともあり、利用客は半分以下に減っているという。担当者は「夜はトレーニングで来る若い人が多いが、午前中はガラガラ」とこぼす。新聞や雑誌など手に触れるものは撤去し、消毒や換気を徹底してプログラムも再開する方針だが、客足がすぐに戻るかは見通せない。別のジムを利用する50代男性は「会社帰りに風呂だけ入りに来ることも多かったが、佐賀市で感染者が出てからは怖くてサウナに入れなくなった」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加