油流出防止に向け、報告書案を議論した佐賀県油等流出防止対策研究会=佐賀市のアバンセ

 昨年8月の佐賀豪雨で佐賀鉄工所大町工場(杵島郡大町町)から油が流出した被害を受け19日、県の研究会が工場からの化学物質流出防止対策について報告書案を示した。具体的な対策として機械設備や敷地を囲う防油壁の設置などを挙げ、課題把握のためのチェックシートのひな形も作成した。油が流出した農地の対応を協議する別の会議では、地元農家の意向を踏まえ、残留油が検出不能な濃度になってから営農を再開することを確認した。

 工場の油流出対策に関する報告書案は、県の油等流出防止対策研究会(座長・大串浩一郎佐賀大理工学部教授)で示された。全7章で、対策としてブロック塀や柵、防油壁の設置、油を取り扱う区域のかさ上げなどを例示した。「今回の事故を『人ごと』として捉えるのではなく『自分事』として対策を検討、取り組む必要がある」とした。

 報告書は研究会委員の意見を踏まえ4月までにまとめ、県ホームページで公開し、関係する製造業者に配布して啓発する。

 営農再開に向けて議論をしている県の農業技術対策会議では、影響が及んだ農地153地点のうち3月3日時点で146地点が、油が検出できない濃度に改善、4地点が農作物の生育に影響がない濃度(1キロ当たり229ミリグラム以下)になったことが報告された。

 大町町からは「地元農家は基準値以下の4地点も『油が検出されない状態で営農再開したい』という意向だ」と説明があった。対策会議は意向を尊重することで一致し、4地点は油の分解を進めるために土を耕した上で、4月中旬にも再調査することを決めた。

 特に濃度が高い別の3地点は、国の災害復旧事業を活用して土を入れ替える。4月に工事に着手する。

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