感染症対策を強化し、開館している佐賀県立図書館。机に張り紙をして利用者同士の間隔を空ける工夫や、扉や窓を開放して換気に努めている=18日午前、佐賀市城内(撮影・米倉義房)

 佐賀市が所有する約130の公共施設が新型コロナウイルス対策で一斉に臨時休館したことに、市民から疑問の声が上がっている。「生活や活動を制限し過ぎでは」「休校で子どもが自宅で過ごす今だからこそ、本を貸すべきなのに」-。類似の県施設は開館しており、運用の工夫次第で感染を防げるという指摘もある。休館継続か開館か、「どちらに決めるにしてもつらい」と市長の悩みも深い。

 「やり過ぎだと思う」。市内の自治会長(78)は公民館の閉鎖に、ため息をついた。3月から4月にかけては総会シーズン。「公民館が使えずに延期したり、書面だけで実施したりする自治会が出てきた」と話し「感染が広がった場合、責任を問われたくないからだろうが、市民生活に支障を来し過ぎ」とこぼす。

 休館したのは市立図書館や文化ホール、体育館などさまざま。市内の県有施設は開館し、県立図書館も開いている。15カ所の窓を開け、テーブルに張り紙をして6人掛けのスペースを2人掛けに減らし、向き合って本を読まない対策を取る。利用者にはマスク着用や手洗いを促し、長時間滞在をしないように呼び掛けている。

 「図書館を友とする会・さが」の園部節子代表は、休校が続き自宅にこもりがちな児童に「本を貸してほしい」と思う。「黙って本を選び、すぐに帰れば大丈夫だと思うし、県立図書館の対策は参考になる」。一方で「未知のウイルスという怖さもあるし…何とも言えない」と胸中は複雑だ。

 秀島敏行市長は18日の会見で、県が図書館を閉めるとの情報を得ていたとして「ふたを開けるとやり方が違った」と明かした。公共施設の休館への苦情が市に寄せられているとも述べ「『注意しながらやっていい』『まん延したらどうなる』というせめぎ合いで、どちらに決めてもつらい」とし、「感染者がこれ以上発生せず(休館予定の)31日手前で開けられるような明るい状況にならないかな」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加