国土交通省が18日に公表した2020年の佐賀県内の公示地価(1月1日時点)は、平均変動率で住宅地と商業地は共に0・6%、工業地は9・2%上がり、全ての用途で上昇した。全用途での上昇は2年連続で、昨年10月に消費税が10%に引き上げられた影響は見られず、景気の緩やかな回復や雇用環境の改善に加え、住宅ローン減税や低金利政策を背景にした需要の下支えが反映されている。

 県内は江北、大町、玄海、太良の4町を除く16市町が対象で、住宅地91、宅地見込み地1、商業地42、工業地3の計137地点の標準地で、1平方メートル当たりの価格を不動産鑑定士の評価に基づいて判定した。

 1平方メートル当たりの平均価格は住宅地が前年比400円増の3万1千円、商業地が1300円増の6万200円、工業地が3300円増の3万5200円。

 住宅地は2年連続で上昇した。市町別の上昇率は基山町が3・0%と最も高く、鳥栖市1・8%、佐賀市1・4%と続いた。吉野ヶ里町、小城市も上昇した。

 住宅地の最高価格は39年連続で「佐賀市八幡小路5―19」の7万4700円。上昇率の最大は「基山町宮浦玉虫486番76」の7・4%だった。基山町は福岡都市圏の近郊にある一方、周辺に比べ地価が安く、町の移住施策と相まって需要が高まったとみられる。

 商業地も2年連続の上昇で、市町別では佐賀市が3・2%、鳥栖市が1・5%上昇した。最高価格は14年連続で「佐賀市駅前中央1―5―10」の24万5千円。上昇率の最大は「佐賀市神野東2―1―3」の16・1%で4年連続だった。

 工業地は前年より上昇幅が0・2ポイント増え、沖縄県(20・9%)に次ぐ全国2位の伸び幅だった。標準地はいずれも鳥栖市で、流通業を中心に企業の需要がある一方、用地不足が続き、地価を押し上げている。

 鑑定評価を担当した不動産鑑定士の後藤修氏(佐賀市)は、昨年夏の佐賀豪雨による浸水被害の影響について「インフラは崩壊しておらず、減価にはつながっていない」と分析した。新型コロナウイルスに関しては「感染拡大の経済への影響が予想できず、今後の不動産市場は見通せない」と話した。

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