3月で閉鎖される大町診療所=杵島郡大町町大町

 杵島郡大町町から町立病院の有償譲渡を受けた社団法人が2017年に開設した「大町診療所」が、3月で閉鎖される。施設老朽化や経営赤字が理由で、公立病院民営化から3年で姿を消す。

 大町町は17年3月、建物の老朽化や経営赤字を理由に町立病院を社団法人「巨樹の会」(武雄市)に約3億5千万円で経営譲渡した。同年4月に内科、整形外科、脳外科、耳鼻咽喉科の「大町病院」が開院。8月に入院病床60床を系列の新武雄病院(武雄市)に移して「診療所」に変更し、同年中に脳外科を休診した。19年4月からは毎週月曜日の内科だけの診療に縮小していた。

 町によると、今年1月、巨樹の会が建物の耐震対応に加えて空調設備や給排水管が損傷していることなどを理由に3月で閉鎖することを申し入れてきた。町は「地域医療の継続、確保に多大な影響を及ぼす」として存続を求めたが、巨樹の会は患者数の減少や経営赤字などの理由を加えて改めて閉鎖方針を伝えた。

 巨樹の会は「現在の診療患者数は1日15~20人で毎月200万から300万円の赤字になっている。空調などの改修費は1千万円を超え、さらに耐震対応やスプリンクラー設置も必要。赤字でも運営する方針だったが、改修費の捻出も難しかった」とし、通院患者は新武雄病院への送迎や他の病院紹介で対応している。 

 水川一哉町長は「公営とは違う形での経営立て直しを期待し、町も協力していきたが、残念」と話す。診療所は国道34号沿いの町の中心部にある。巨樹の会は「早めに更地に戻し、町の活性化につながるような活用策を持つ方がいれば売却も考える」としている。

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