佐賀市の保育園に掲示された家庭内保育を呼び掛ける紙

 佐賀市が保育施設を利用する保護者に家庭内保育への協力を要請してから最初の平日となった16日、市内の保護者からは「仕事を休まないといけなくなる」などと不安の声が聞かれた。

 約90人の園児を預かる保育園では、市から要請を受けた翌日の14日、保護者にメールで文書を一斉送信した。16日は、約10人が体調不良などで休んだというが、正門で保護者の見送りに立ち会った園長は「いつもと変わらない。家で見たくても見られない家庭もある」と推し量った。大和町の保育園に男児(4)を通わせる母親は「小学生の子どももいるので、家庭内保育になれば仕事を休むことになる。給与の保障も分からないし不安しかない」と肩を落とした。

 別の保育園の園長は、京都府など保育士が感染しているケースに触れ「今後、佐賀も可能性がないとは言い切れない。家庭がより安全であることは伝えていきたい」と話した。

 認定こども園では、保育部門が要請を受け、幼稚園部門は情報提供にとどめられている。水ヶ江の認定こども園の副園長は「保育園、幼稚園どちらの保護者にも市からの通知は知らせた。現場はさほど混乱していない。今後も基本的に保育内容を線引きせず、保育を行う」と話した。

■県と温度差、関係者困惑

 新型コロナウイルス感染を防ぐために佐賀市が保育所などに通う保護者に行った家庭内保育の協力要請で、施設関係者や保護者に困惑が広がっている。市は管轄する保育所や認定こども園などに要請を出しており、認可外保育所や幼稚園などを管轄する県は現時点で家庭内保育の必要性を認めていない。同じ市内の保育施設でも対応が異なることに、戸惑いの声が上がっている。

 市は13日夜、「家庭内保育のお願い」とする文書を市が管轄する保育所や幼保連携型認定こども園、地域型保育事業所の93施設に電子メールで送信した。保育幼稚園課は「感染を防ぐためのお願いで、強制力はない。仕事を休んで子どもをみてもらっても、市が休業補償することはない」と説明。幼保連携型の認定こども園では、幼稚園部門の保護者には要請せず情報提供にとどめ、「どう保護者に伝えるかは、園側の判断に任せた」とする。

 幼稚園や認可外保育所などは県の管轄で、県は家庭内保育を求めない理由について「共働きの保護者が多く、預け先を見つけるのも、園児が1人で留守番するのも困難だから」と説明する。

 大和町の保育所に通わせる看護師の母親は「仕事があるので預かってもらわないと困る。市と県で対応が違うので戸惑っている」と眉をひそめた。

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